バイエル薬品 TRK阻害薬ヴァイトラックビの内用液を発売 抗がん剤で初の剤形
公開日時 2021/08/10 04:50
バイエル薬品は8月6日、経口トロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)阻害薬ヴァイトラックビ(一般名:ラロトレクチニブ硫酸塩)の内用液20mg/mLを発売した。同剤は神経栄養因子チロシンキナーゼ受容体(NTRK)融合遺伝子陽性の進行・再発固形がんを効能・効果とし、内用液は小児や嚥下困難患者に適した剤形として開発した。抗がん剤の内用液は国内初となる。
適正使用を推進するため、専用ピペットや服用量チェックカードなどを含めたデバイスパックを提供する。
ヴァイトラックビのカプセル剤は7月7日に発売し、内用液は発売準備中となっていた。同剤は、中外製薬の遺伝子変異解析プログラム・FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルで、同剤の有効性が期待されるTRK融合がんかどうかを調べた上で使用する。TRK融合タンパク質は、体内の発生部位にかかわらず、がん患者のがんの広がりや増殖を促進する発がん性ドライバーとして作用する。
バイエル薬品は、「がんの種類や患者さんの年齢にかかわらず、NTRK遺伝子融合を有するすべてのがん患者さんに革新的な個別化治療を提供するような、がん領域におけるアンメット・メディカル・ニーズに応える努力を今後も続けていく」としている。