日本ベーリンガー オフェブ、ジオトリフ、糖尿病領域で「e-MR」本格始動 オンライン説明会の演者も
公開日時 2021/08/06 04:52
日本ベーリンガーインゲルハイムは8月5日、オンライン面談やメールでの情報提供を専門に行う「e-MR」を本格始動したと発表した。医療関係者の多様化する情報提供チャネルへのニーズに対応するもので、同社のオフェブ、ジオトリフ、糖尿病領域のそれぞれを担当するe-MRを配置した。e-MRは東京本社に配属され、全国の医師を対象とする。オンラインの活用により地域やエリアを跨ぐ製品説明会も開催できる。このほか地区担当のMRとも連携し、自社サイトのコンテンツなどを活用して医療関係者一人ひとりへの情報提供の最適化を図る方針だ。
同社はコロナ以前の2019年からe-MRを試験的に配置していた。その後、コロナ禍における情報提供活動において、医療機関側からMR活動への訪問自粛要請が断続的に出されるなど、一気にリモートチャネルを活用した情報提供活動の最適化が重視されるようになる。
◎新たな顧客エンゲージメントモデル確立へ
同社が最も重視したのが新たな顧客エンゲージメントモデルの確立だ。医療者自身もコロナ禍において院内外の会議や地域の会合、さらには学会・研究会へのリモート参加の機会が増大している。加えて、製薬企業による医薬品情報へのアクセスもWeb講演会や自社サイト、会員制登録サイト(3rd Party)を活用する機会も増加するなど、結果的に医療者側のチャネルによる情報アクセスへの障壁が低くなったと言える。同社は、こうした外部環境の変化を踏まえ今年1月に「e-MR」を社内組織化し、8月から本格的に活動をスタートさせることになった。
◎e-MRが演者の製品説明会をオンライン開催 地理的要件や時間軸を最適化
e-MRと面談を希望する医師は、メールやQRコードの読み込み、LINEなどで面談日時などを予約できる。実際の面談は本社にいるe-MRと医療者をオンラインでつなぎ、医療者はパソコン、スマートフォン、タブレット端末などを通じて双方向のコミュニケーションが行われる。その際、地区担当のMRがオンラインで同席することもあるという。外部医療情報サイトや同社の医療関係者向けサイト「ベーリンガープラス」との複合的アプローチも想定している。
一方、e-MRは通常の面談以外に、全国の複数の医師等を集めた製品説明会をオンラインで開催する。その際、e-MRが演者となることも想定している。このオンラインによる製品説明会は、例えば、東京、大阪、札幌といった地理的要件を外し、同じテーマに関心を持つ医師だけを各地から集めた説明会を開催することもできる。また、オンラインを活用することで、全国の医師グループを一堂に介した説明会も開催できるなど、時間的制約も解消され、情報提供活動の生産性向上なども期待できる。
◎ライフイベント等による社員の選択肢としての活用も
このほか同社は、ライフイベント等により自宅での勤務を必要とする社員の選択肢としてもe-MRを活用することにしており、「新しい働き方」としても期待を寄せている。同社は「本格始動したe-MRの運用により、新しい顧客エンゲージメントモデルの模索・確立を目指すとともに、社員の成長が会社の成長につながるという信念のもと、引き続き社員がいきいきと働き続けることができる環境を整えたい」と強調した。