中医協総会 抗うつ薬・トリンテリックスの薬価引き下げへ 費用対効果評価踏まえ
公開日時 2021/08/05 04:49
中医協総会は8月4日、費用対効果評価の結果を踏まえ、武田薬品の抗うつ薬トリンテリックス錠の薬価を引き下げることを了承した。調整後の薬価は10mg1 錠を161.70 円(現行薬価・168.90 円)、20mg1 錠を242.50 円(253.40 円)。適用日は11 月1日。同剤は、「H1(市場規模が100 億円以上)」に該当していた。「中等度以上のうつ病・うつ状態」を対象集団とし、ミルナシプランを比較対照技術に費用対効果評価を検討したところ、「費用増加」となった。
◎心不全治療薬 コララン錠・エンレスト錠は薬価を維持
また、小野薬品の慢性心不全治療薬コララン錠については、「β遮断薬、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬またはアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)、抗アルドステロン薬(MRA)を投与している、あるいはそれらに禁忌または忍容性のないと判断される、左室駆出率が 35%以下、洞調律下での安静時心拍数 75 回/分以上の成人慢性心不全」を対象集団に、プラセボを比較対照技術に据えて検討したところ、ICERは「200 万円/QALY 以上500 万円/QALY 以下」となった。このため、価格調整率は1.0となり、価格は維持された。同剤は、「H2(市場規模が50 億円以上)」に該当していた。同剤の類似品目(H5区分)として対象とされたノバルティスファーマのエンレスト錠も同様に価格は維持された。