中外製薬 新型コロナの職域接種用ワクチン1600回分を廃棄へ 温度管理の不備で
公開日時 2021/07/09 04:51
中外製薬は7月8日、新型コロナウイルスの職域接種用ワクチン1600回分が温度管理の不備により使用不能となり、廃棄することを決めたと発表した。ワクチン保管用ディープフリーザーの電源アダプターの接続部が緩み、通電しておらず、結果としてフリーザーの温度が上昇した。これにより、モデルナ製ワクチン1600回分が使用不能となった。
6日午前に担当者がフリーザーを確認したところ、温度の異常に気づいたという。原因を調査し、関係各所への連絡を経て、8日に廃棄を決めた。
同社グループでは複数の会場で職域接種を実施するが、このうち東京本社で2400人が接種を予定していた。1回目の800人分は使用したが、残り1600人が1回目を接種できなくなった。
再発防止策として、同社グループの各職域接種会場で、▽電源接続部のテープなどによる固定、移動時の確認の徹底▽フリーザーの温度の定期的な確認の徹底――などの対策を講じる。
同社は、「ヘルスケア産業の一員である弊社が、管理体制の不備により感染拡大防止の貴重な手段であるワクチンを廃棄する事態に至ったことは、社会およびステークホルダーの皆様の信頼を裏切るものとして重く受け止めている。心よりお詫びするとともに、今後の再発防止に向け、必要な措置を徹底していく」とコメントした。