ノバルティス ITP患者対象にデジタルサービスの提供開始 精神的負担軽減で治療継続サポート
公開日時 2021/07/06 04:50
ノバルティス ファーマは7月5日、慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の患者と患者家族向けに、デジタルを活用した新たな2つのサービスの提供を開始すると発表した。2つのサービスを通じ、患者の体調の自己管理を毎日サポートし、気になる点を医師に伝えることで医師との良好なコミュニケーションを促すことで、患者の精神的負担を軽減し、治療継続をサポートしたい考えだ。
ITP患者をめぐっては、症状が落ち着き、頻繁な通院の必要がなくなった患者も多いとされている。こうした患者では、通院までの間隔があくことで、日常生活のなかで感じる不安や疑問の解消が課題となっている。特に、コロナ禍で日々の小さな体調の変化を自身で見逃さないように管理することが、 症状を安定させるためにこれまで以上に重要になっていることから、同社はサービスを通じた課題解決を目指している。
サービスは、メディカルノート社と協働した「ITP お悩みチャットボット」と、Welby社と協働した「Welby マイカルテ ONC」—の2つ。
「ITP お悩みチャットボット」では、患者の疑問に対して、リアルタイムで医師監修済の回答を得ることができる。自身の都合のいいタイミングで即座に回答を得られることから、精神的な負担の軽減するほか、気軽なサービスの活用によって主体的に治療に向かうことを後押しする。
また、「Welby マイカルテ ONC」では、だるさや内出血、頭痛など気になる症状をアプリに入力することができる。医師はアプリ内の記録を元に、日々のデータと症状の関係性などを把握しやすくなり、円滑なコミュニケーションにつながることが期待される。
ITP は、血液中の血小板の数が 10 万/μL以下に減少する難治性疾患の一つ。免疫細胞が血小板を攻撃して壊すほか、血小板をつくるトロンボポエチンが不足し、血小板の産生量が低下し、紫斑や点状出血、鼻血、月経過多などの症状がみられる。 特に血小板数が極めて少ない場合には脳内出血、消化管出血など重篤な出血につながる可能性もある。国内には約2万人の患者がいるとされ、毎年3000人が新たに診断を受けているという。
【訂正】タイトル部分の記載に誤りがありました。訂正しました。(7月12日9時28分)