中外製薬 新型コロナへの抗体カクテル療法を国内申請 特例承認の適用求める
公開日時 2021/06/30 04:50
中外製薬は6月29日、カシリビマブとイムデビマブの抗体カクテル療法について、新型コロナウイルス感染症に対する製造販売承認申請を行ったと発表した。同社は、「特例承認の適用を希望している」という。
申請は海外の第3相臨床試験「REGN-COV 2067」と日本人対象に安全性と忍容性、薬物動態を評価した国内第1相臨床試験の結果に基づく。海外の臨床第3相試験では、入院をしていない高リスクの新型コロナ患者の入院または死亡のリスクを有意に低下し、主要評価項目を達成していた。
同社の奥田修代表取締役社長CEOは、「変異株の感染拡大など、COVID-19の流行は長期化しており、新たな治療選択肢が必要とされている。本抗体カクテル療法を新たな治療薬として一日も早く患者さんにお届けできるよう、規制当局と緊密に協働する」とコメントしている。
同抗体カクテル療法は、SARS-CoV-2に対する2種類のウイルス中和抗体カシリビマブおよびイムデビマブを組み合わせたもの。新型コロナの治療および予防を目的として、米リジェネロン社が創製した。2020年8月に製造、開発、販売についてロシュ社と共同で実施することを発表し、同年12月に、中外製薬が日本における開発権および今後の独占的販売権をロシュ社より取得している。中外製薬と日本政府は5月10日、国内で薬事承認された際に、国内での供給を目的として、2021年分を日本政府が確保することに合意している。