日本糖尿病協会 「糖尿病関連企業EXPERT社員」認定事業開始 第1回試験で1679人誕生
公開日時 2021/06/07 04:51
日本糖尿病協会(日糖協、理事長:清野裕・関西電力病院総長)は6月4日、「糖尿病関連企業EXPERT社員」認定事業を開始したと発表した。第1回試験を2~3月にインターネットで実施し、1679人の糖尿病EXPERT社員が誕生した。合格率は93%。この認定事業は、日糖協の賛助会員である製薬企業や医療機器メーカーに所属する社員を対象にしたもので、MR資格の有無は問わない。「糖尿病に関する高い水準の知識を持つ社員」を糖尿病EXPERT社員と認定し、認定証とバッジを交付する。
◎地域の糖尿病療養指導士と同等レベル
日糖協は本誌取材に、糖尿病EXPERT社員になるための難易度について、「地域の糖尿病療養指導士のレベルに合わせて試験を作成した」と説明した。糖尿病療養指導士は主に看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士らが取得しているもので、医療現場で糖尿病患者の指導にあたる専門職と位置付けられている。
◎清野理事長 糖尿病患者の役に立ちたいと願う社員に“光を当てたい”
清野理事長は、糖尿病領域で活動する製薬企業や医療機器メーカーの社員について、直接患者に接することはないものの、「治療に役立つ薬剤や患者さんの負担を軽減する医療機器の開発、医療者への正確な情報提供などを通じて、糖尿病患者さんのお役に立ちたいと願っている方々だ」との認識を示した。そして、「日糖協のEXPERT社員認定制度は、そうした皆さんの存在に光を当てる役割を果たしたいと考えている」と認定事業のねらいを説明し、「新たに誕生した糖尿病に関する高い水準の知識を持つEXPERT社員のこれからの活躍を期待している」とコメントした。
日糖協は、MRバッジの近くに糖尿病EXPERT社員バッジを付けて情報提供・収集活動してもらいたいとしている。日糖協の会員数11万人のうち約4割が医師を含む医療従事者で、会員は同認定事業を認識していると説明した。
◎合格者の9割近くがMR
第1回試験(20年度試験)は2月28日、3月13日、3月28日にオンライン(IBT配信方式)で実施した。受験者は都合の良い日にちを1日選び、受験した。出題数は60問で、5つの選択肢から正答を選ぶ。1問ずつ出題され、回答したら次の問題が出題されるが、1問につき1分間の時間制限がある。試験時間は60分。1問1点の60点満点で、30点を合格ラインとした。
今回は計13社から1800人が受験し、合格者は1679人だった。日糖協によると、受験者のほとんどが製薬企業の社員で、合格者の9割近くがMRの有資格者だった。認定試験に合格すると、有効期間5年の間にeラーニングや研修会参加などで20単位を取得する必要があり、継続的な学習で知識の更新を促す。受験料(審査料)は1万円、更新料は3000円。
試験は毎年度1~2回実施する計画で、第2回試験は今秋に実施する予定。