協和キリン 抗LIGHTヒト型モノクローナル抗体の全権利を導出 小児IBDなど適応で
公開日時 2021/03/30 04:50
協和キリンは3月29日、抗 LIGHTヒト型モノクローナル抗体(開発番号:CERC-002)について、全ての適応症、全世界での開発・製造・販売の権利を米・Cerecor Inc.の子会社である Aevi Genomic Medicine,LLC.に許諾する契約を締結したと発表した。抗体は、同社とラホヤ免疫研究所と当社が共同で創製しており、ファーストインクラスになる可能性がある。
LIGHT 分子は、炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)や他の自己免疫疾患の病態形成、新型コロナウイルス感染症に伴う急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の悪化への関与が示唆される生体内で炎症反応を促進するサイトカイン。開発を進めていた抗体は、LIGHT 分子に特異的に結合することで、効果を発揮することは期待される。
協和キリンは 2016 年 6 月、Aevi社 の前身である Medgenics 社と、小児 IBDを対象として、北米や欧州における開発・販売権に関するオプション権付きライセンス契約を締結した。その後、2020 年 5 月に 新型コロナに伴う ARDSに関する全世界での開発・販売権に関する追加的なオプション権を同社に付与していた。
今回の契約に基づき、Aevi社 は協和キリンに対し契約一時金と、開発および販売のマイルストンのほか、販売額に応じたロイヤルティーを支払う。
Aevi社 は米国や欧州、日本をはじめとする全世界での全ての適応症に対する本剤の開発、製造及び販売活動を実施する権利を有することになる。ただし、協和キリンは日本における本剤の開発、製造、販売に関するオプション権を有する。