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東京医科歯科大と富士通 コロナ患者の重症化予測と看護業務量をAIで解析 コロナ禍の病院経営を支援

公開日時 2021/02/03 04:52
東京医科歯科大学と富士通は2月2日、新型コロナウイルス肺炎患者の診療情報に基づく重症化予測と、それに伴う看護業務量をAI(人工知能)で予測し、その有効性を検証する共同研究をスタートさせと発表した。共同研究では、①胸部X線写真を用いた新型コロナ肺炎罹患状況を判定するAI、②血液検査や病歴などの診療情報に基づき重症化を予測するAI、③重症化予測データをもとに新型コロナ肺炎患者の治療に伴う看護師の業務量を数値化するAI-を活用し、患者の病床移動スケジュールも含め幅広く有効性を検討する。両者は、医療分野のDX化を推進することで、コロナ禍における病院経営を支援するソリューションの開発を目指す。

政府が新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う緊急事態宣言の期限が3月7日まで1か月間延長される中で、医療機関にとって新型コロナウイルス肺炎患者の受け入れ体制を安定的に持続することが重要となっている。このため東京医科歯科大と富士通は、コロナ禍での医療現場の負荷を軽減するため、AI技術を活用し、医師の診療支援から病床管理まで幅広く医療現場を支援するシステムを共同開発することになった。

◎3つのAIを活用

共同研究では、①胸部X線写真による肺炎罹患判定AI、②重症化予測AI、③看護業務量予測AI-について開発する。肺炎罹患判定AIは、京医科歯科大学が保有する、新型コロナ肺炎患者の胸部X線写真のDICOMデータを匿名化したうえで、富士通が開発したAIに学習させ、患者の肺炎の有無や罹患部位を判定する精度を検証するもの。

◎重症化予測AI 患者の血液検査や病歴などの診療情報をAIが学習

重症化予測AIは、新型コロナウイルス肺炎に関する論文から、これまで重症化した患者の血液検査や病歴などの診療情報を富士通が開発したAIに学習させるというもの。患者の肺炎の病状変化を予測し、ノモグラム図として可視化する。これにより、入院患者一人ひとりの病状変化の予測に応じた治療の優先順位決定や、それに伴う院内の病床管理を支援することができる。

◎コロナ患者に対応する看護師の業務を数値化

看護業務量予測AIは、患者の重篤度に合わせた病床の移動や患者への治療行為、医師のサポートといった、新型コロナ肺炎患者に対応する看護師の業務を数値化し、AIが事前に学習する。そのうえで、重症化予測AIと連携し、今後重症化が予測され一般病床から集中治療室などへ移動する可能性の高い入院患者数とその推移をAIが予測し、看護師の業務量増減の可能性を検証する。これにより新型コロナウイルス肺炎の感染状況に応じて、事前予測が難しい患者の病状の変化に応じた適切な看護の提供と、患者の病床移動スケジュールなどの病床管理を支援する。

◎富士通 ヘルスケアソリューションを開発し、2022年3月末までにサービス提供

東京医科歯科大学は共同研究を通じ、「医療現場の課題解決にAIを利活用できるかを評価し、より持続可能な医療体制の整備や維持に役立てることを目指す」と強調。富士通は、「コロナ禍の医療現場を幅広く支援するヘルスケアソリューションを開発し、2022年3月末までにサービス提供する」ことを目指す方針を明らかにした。また、電子カルテシステムと合わせて、「治療効果の可視化や地域医療施設との情報連携が可能な仕組みを提供するなど、コロナ禍の医療機関を強力に支援し、医療分野におけるDXを推進したい」としている。
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