エーザイ 新規の抗がん剤タゼメトスタットを国内申請 濾胞性リンパ腫治療薬として
公開日時 2020/07/09 04:50
エーザイは7月8日、新規機序の抗がん剤タゼメトスタット臭化水素酸塩(一般名、開発コード:E7438)について、EZH2遺伝子変異陽性の濾胞性リンパ腫に係る適応で日本で承認申請したと発表した。同社は、「がん領域を重点領域の一つと位置づけており、がんの『治癒』に向けた革新的な新薬創出を引き続き追求する」としている。
タゼメトスタットはEpizyme社が創製したファースト・イン・クラスの経口EZH2 阻害薬。エピジェネティクス関連タンパク質群のうち、ヒストンメチル基転移酵素のひとつであり、発がんプロセスに関与するEZH2を選択的に阻害することでがん関連遺伝子の発現を制御し、がん細胞の増殖を抑制すると考えられている。エーザイは日本での開発、商業化権を取得している。
濾胞性リンパ腫は非ホジキンリンパ腫の10%~20%を占める低悪性度B細胞リンパ腫。濾胞性リンパ腫は一般的に進展が緩徐で、化学療法の感受性は良好とされる。ただ、再発を繰り返すことが多いことから依然として治癒が困難な疾患で、新たな治療選択肢が求められている。濾胞性リンパ腫のうち、7%~27%がEZH2遺伝子に機能獲得型変異を有すると報告されていることから、国内の濾胞性リンパ腫患者のうち約600~2400人が同変異を有していると推定されるという。