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GSK・リレット社長 新型コロナワクチン開発は「パートナー企業と協業で」21年に10億ドーズを目指す

公開日時 2020/07/09 04:50

グラクソ・スミスクライン(GSK)のポール・リレット社長は7月7日、東京都内で開催したWebセミナーで、新型コロナウイルスに対するワクチン開発の取り組みを説明し、「最良のワクチンをできるだけ早く開発するために、さまざまな得意領域を有するパートナーと組んでいくことが大切」と述べた。独自のアジュバント技術を核に、パートナー企業と協業することで、2021年に10億ドーズのワクチン提供を目指す。
Webセミナーは、「Vaccine Day in Japan~”成人の予防接種“で、健康寿命の延伸に貢献を~」と題して実施した。GSKは、これまで30以上のワクチンを製造・販売し、また今年7月現在の開発パイプラインにあるワクチン数は11に及ぶ。なかでも抗原に対する免疫応答を増強するアジュバント技術に同社は25年以上投資し、B型肝炎ウイルスや新型インフルエンザなど数多くのワクチンを開発した。

リレット社長は、「COVID-19への対応は、ワクチン領域のリーディングカンパニーである当社の存在の目的そのもの。ワクチン開発の一番乗りを目指すのではなく、最良のワクチンを届けるのがわれわれの使命だ」と強調。予防だけでなく他者への感染を防ぐワクチン開発に取り組む考えを示した。また、「免疫反応を高めるアジュバントを活用することにより、少ない抗原量でワクチンを生産するこができる。COVID-19のようなパンデミックが起こった場合には世界中に多くのワクチンを届けることが必要になるため、より多くのワクチン提供を可能にするわれわれのアジュバント技術は特に重要」と説明。具体的な取り組みとして、サノフィとの協働によるCOVID-19のワクチン開発をあげた。サノフィが抗原、GSKがアジュバントを提供する。

◎「感染を予防し、重症化を食い止める」 バーンズ・メディカル本部長

続いて登壇したGSKメディカル本部のスージー・バーンズ本部長は、COVID-19に対するアジュバント添加ワクチン開発に関する同社の具体的な取り組みを紹介した。COVID-19に対する理想的なワクチンについて同氏は、「パンデミックで何十億人という人たちが影響を受けている状況下では、重症化を予防して人命を救うことが最初の課題。同時に感染を食いとめるようなワクチン開発に邁進しなければならない」と述べ、そのためにサイエンティフィックなコラボレーションによるイノベーションの達成が必要との考えを示した。

具体的には、同社のアジュバント技術に優先順位をつけてパートナー企業に提供し、ワクチン候補となる化合物にアジュバントを添加することで、2021年に10億ドーズのワクチン提供を目標とする。また同社独自のアジュバント技術について、「免疫機能が低下している高齢者などに対してアジュバント添加ワクチンを活用すると、免疫応答がより強く、またより長く続くことが研究で明らかになっている。徐々に変化していくウイルス株に対しても交差免疫を提供することが可能になる」と説明。さらに「このパンデミック下でより多くの人たちに対してワクチンを提供するうえで当社のアジュバントの1つであるASO3が重要な役割を果たす」と述べた。同アジュバントをパートナー企業に提供し、免疫システムを質量ともに増強するとともに、短期間でより多くのワクチンを提供していく構えだ。

◎サノフィとの協働プロジェクト 2社のコラボで製造能力の拡大に期待感

パートナー企業・団体との協働では、先述のサノフィのほか、クイーンズランド大学(豪)や中国を拠点とするClover社とのプロジェクトを紹介。9月から臨床試験が始まるサノフィとの協働プロジェクトに関しては、「大きな製造能力を有する2社がコラボすることでさらなる製造能力の拡大が見込まれる」と期待感を示した。
 

 

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