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新型コロナ感染症対策分科会が初会合 東京都の感染者数増加も「医療提供体制はひっ迫していない」

公開日時 2020/07/07 04:51
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会(尾身茂分科会長・地域医療機能推進機構理事長)は7月6日、初会合を開き、感染者が5日連続で100人超となった東京都内の感染状況について議論を行った。会議後に会見した西村康稔経済再生担当相は、「医療提供体制はひっ迫していない。検査体制も整備されてきた。緊急事態宣言を発出した4月上旬と状況は異なるとの共通認識を得た」と説明した。また政府が定めた社会経済活動の目安であるイベントの開催人数制限については、当初の予定通り7月10日に一段階緩和することも了承した。

東京都内では、7月1日以降週末を挟み100人を超える感染者が報告されている。ただ、感染者は新宿や池袋など、夜の繁華街を中心に感染が拡大しており、30代以下の接客業に従事する若年者が多く、重症化する症例が少ない状況にある。一方で、PCR検査の実施件数は現在では2160件と、4月7日の271件と比べ、大きく伸びている状況にある。感染経路が不明な症例数が一定程度あることや、若年者でも重症化する症例があることから、中高年の感染者も増えているとして、この日の分科会で「危機感を共有した」(西村経済再生担当相)という。

◎感染症対策と社会経済活動の両立 抗原検査の実施など感染リスク軽減で改善も

感染症対策と社会経済活動を両立することが重要になるなかで、専門家が提言したのが、戦略的な検査体制の構築だ。会見に臨んだ尾身会長は、「検査の拡充に向けた基本的戦略については十分議論されていなかった」と振り返り、体制構築を急ぐ必要性を強調した。この日の専門家の提言では、場所や人に応じて感染リスクを3つのカテゴリーで示した。症状のある人については、唾液を用いた抗原検査が実施できるようになり、医療関係者の負担リスクや感染リスク軽減につながるなど、改善傾向であるとした。

◎無症候者への検査の実施で議論 偽陽性・偽陰性のリスクも

焦点が当たったのが無症状者への検査の実施のあり方だ。無症状者では感染リスク・事前確率が高い例として、「感染が1例でも出た病院あるいは高齢者施設の濃厚接触者や、夜の街クラスターに関係する人」を例にあげ、PCR検査を徹底的に行うとした。感染した場合の影響が大きい、手術前の患者や高齢者施設に入所する人なども、こうした対応を検討すべきとした。無症状者で感染リスクが低い人として、「安心のために、検査を通じ、地域のなかで社会・経済・分化活動等を行いたい人」をあげ、「このカテゴリーに対する検査のあるべき姿についても、一定のコンセンサスを構築する時期にきたのではないか」と指摘した。PCR検査などは偽陰性、偽陽性のリスクが付きまとうためだ。偽陽性であれば、感染しておらず本来必要のない自宅待機やホテル療養などの措置を取られる可能性がある。一方で、偽陰性であれば知らずに感染を広げてしまうリスクがあると指摘した。尾身分科会長は、「経済との両立が求められており、感染リスクをどこまで許容できて、どこまで防ぎたいのか、国民的なコンセンサスが必要」との考えを示した。専門家らはこのほか、データ共有の必要性や感染者に対する偏見・差別とプライバシー、水際対策などについても提言した。

分科会は新型コロナ対策を検討してきた専門家会議を発展的に改組したもので、経済学者や知事など18人で構成されている。

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