日医・中川会長 新型コロナ後を見据え「医療機関の経営支援」で委員会設置
公開日時 2020/07/02 04:51
日本医師会の中川俊男会長は7月1日、就任後初の定例会見に臨み、新型コロナウイルス感染症への対応で医療機関が経営的に大きなダメージを受けているとし、「医療機関の経営支援」に関する委員会を設置することを明らかにした。担当役員に松本吉郎常任理事を充てることも報告した。新執行部の職務分担も決定した。中川会長は、「前執行部の機能をさらにリニューアル、ブラッシュアップ、パワーアップするという3つの視点で考えた」と強調した。
中川会長は会見で、「新型コロナ感染症下で、診療所、中小病院、大病院まで経営が非常に苦しい状態が続いている。感染が終息後も患者の受療行動が変わってしまったのではないかということを含めて、全ての医療機関に対し、具体的な支援をしたい」と強調。レセプトデータなどを駆使して、どうやって経営を立て直すかについて具体的な支援策を検討する考えを表明した。また具体的な進め方については、「委員会を設置し、個別具体的な例を用いて示す。診療科による違いもある。医療機関、病院の規模、診療科、救急の受入れなどを分析して経営を支援したい」と述べた。
中川会長はまた、自民党の二階幹事長と面会したことを明らかにしながら、「二次補正も頑張って頂いたが、不十分との声もある」と指摘。財政的・財源的な議論を政府・与党に求める姿勢を示した。ただ、日医内に新たに設置する委員会については、「違う文脈として経営支援する」との見解も示した。
◎宮川常任理事 製薬産業に対し「日医としてどんな方策が良いか。慎重に取り組む」
会見では新任の常任理事も紹介された。新執行部で「税制、薬事、健・検診、治験促進センター」を担当する宮川政昭常任理事は、「税制は大きな問題。中長期的にあらゆる要素をしっかり検討し、多くのいろいろな批判に耐えられるようなものを作っていきたい」と強い意欲を示した。また、薬事については、「医療安全、医療保険、医療政策など様々なものが絡み合っている。これも慎重に、一元的に取り組むためにどのような方策が良いのかを検討したい」と述べた。
今後の製薬業界・団体との取り組みについては、「これまでは私個人として展開してきた。しかし、これからは日医としてどのような方策が良いのか、これから慎重に取り組んでいきたい」と応えた。
【日本医師会執行部職務分担】(役員別)
会長・中川俊男(総括)
副会長・今村聡(総務担当)
副会長・松原謙二(学術担当)
副会長・猪口雄二(政策担当)
常任理事・羽鳥裕(健康スポーツ、学術・生涯教育(医学会)、倫理、医療廃棄物、公衆衛生・禁煙対策・がん対策
常任理事・釜萢敏(地域医療、医療関係職種、感染症危機管理対策・予防接種)
常任理事・松本吉郎(総務、医療保険、共同利用施設、環境保健)
常任理事・城守国斗(広報、医療安全、医賠責、医師国保、日医総研)
常任理事・長島公之(医療政策、情報、救急災害医療、労災・自賠責、年金、会員情報(電子認証センター))
常任理事・江澤和彦(介護保険・福祉(認知症を含む)、精度管理、精神保健(障害を含む)、図書館)
常任理事・橋本省(財務、国際、勤務医、病院)
常任理事・宮川政昭(税制、薬事、健・検診、治験促進センター)
常任理事・渡辺弘司(学校保健、先端医療(遺伝子医療、再生医療、生殖医療、臓器移植等)、周産期・乳幼児保健、医事法制、検案)
常任理事・神村裕子(産業保健、国民生活安全対策、有床診療所、会員福祉、男女共同参画、女性医師支援センター)