大日本住友やAZら製薬各社 医療防護具やマスクを寄附
公開日時 2020/04/30 04:50
製薬各社が、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、医療機関で不足が深刻な問題となっている医療防護具の寄付に乗り出した。大日本住友製薬は4月28日、マスクやフェイスシールドなどを、特定警戒都道府県など15都道府県に寄付すると発表した。アストラゼネカも同日までに、厚生労働省を通じて、国内の医療機関にマスク30万枚を提供すると明らかにした。同社では、世界各国で計900万枚のマスクを寄付する考え。医療防護具の不足が深刻化するなか、スピード感ある対応で、医療機関の感染リスクや院内感染の防止に役立ててほしい考えだ。
大日本住友製薬が寄付するのは、フェイスシールド2万個とマスク20万枚、それに医療用ガウン1万着。4月30日から5月中旬にかけて、順次発送する。フェイスシールドは、総合プラスチックメーカー河村化工 (本社:大阪府茨木市)の協力を得た。マスクとガウンは、中国子会社の住友制葯(蘇州)有限公司を通じ、中国企業に製造を委託し、調達する。
このほか同社では、技術研究本部製剤研究所が所有する3Dプリンターを使い、フェイスシールドの製造も試みており、早ければ5月にも発送できるよう試作を繰り返している。同社では、「医療の最前線で奮闘する医療関係者の感染予防の一助となることを切に願っている」とコメントしている。
医療防護具をめぐっては、多くの医療機関で不足が深刻な問題となっている。製薬企業では、ロート製薬がすでに、新型コロナウイルス対応医療機関支援室を設置し、グループ会社を通じて調達した医療資材を医療機関へ寄付する取り組みを始めたほか、ベーリンガーインゲルハイムが消毒剤や吸入器などの現物寄付を行っていくと明らかにするなど、動きが活発化している。