富士フイルムHD 新型コロナ対象に米国でアビガンの第2相臨床試験開始へ
公開日時 2020/04/10 04:50
富士フイルムホールディングスは4月9日、抗インフルエンザウイルス薬・アビガン錠(一般名:ファビピラビル)について、米国で4月の第2週中にも、新型コロナウイルス感染症患者を対象に臨床第2相試験を開始すると発表した。
試験は、50人の患者を対象に6月末まで行われる予定。実施される医療機関は、ブリガム・アンド・ウイメンズ病院やマサチューセッツ総合病院、マサチューセッツ州立大学メディカルスクール―の3施設。
同社によると、新型コロナウイルス感染症の治療に同剤を使用する企業主導治験は、日本に次いで2本目となる。日本では3月31日から、非重篤な肺炎患者を対象とした第3相臨床試験が行われている。
同剤は、国内では抗インフルエンザウイルス薬として製造販売承認を取得している薬剤だが、米国では未承認薬となる。ウイルスのRNAポリメラーゼを選択的に阻害することで、ウイルスの増殖を防ぐというメカニズムを有することから、インフルエンザウイルスと同種のRNAウイルスである新型コロナウイルスに対しても効果が期待され、臨床応用への検討が進んでいる。