バイオジェン ファイザーからCK1阻害薬を導入 アルツハイマー病などで開発へ
公開日時 2020/01/27 04:50
米バイオジェンは1月23日、日本法人を通じて、米ファイザーの新規の中枢神経系透過性低分子カゼインキナーゼ1(CK1)阻害薬PF-05251749(開発コード)を導入する契約を締結したと発表した。契約手続きを3月までに完了させる予定。同剤は現在、フェーズ1段階にある。開発エリアは不明。バイオジェンはアルツハイマー病の夕暮れ症候群と、パーキンソン病の不規則睡眠・覚醒リズム障害の治療薬として開発するとしている。
契約に基づき、バイオジェンはファイザーに契約一時金7500万ドルを支払うほか、開発・製品化のマイルストーンと上市後のロイヤリティで最大6億3500万ドルを支払う可能性がある。
バイオジェンの研究開発担当エグゼクティブバイスプレジデント&チーフ・メディカル・オフィサーのアルフレッド・サンドロックJr氏は、「PF-05251749は、当社のアルツハイマー病およびパーキンソン病の疾患修飾薬候補の既存のパイプラインを強固に補完するもの」とし、「アルツハイマー病およびパーキンソン病の患者さんの多くは、重篤な睡眠障害や興奮症状に苦しんでいる。私たちは、概日リズムの調節がこれらの困難な行動症状および神経症状に効果を示す可能性があると期待している」とコメントした。
CK1は24時間周期の概日リズムをコントロールし、ほぼ全ての生命体の生理機能と代謝に影響する「中枢時計」である視床下部の視交叉上核の調節に主要な役割を果たす。概日リズムの混乱は、アルツハイマー病及びパーキンソン病の主な症状を含む様々な精神疾患および神経疾患に関連している。