医師の働き方改革推進検討会 議論のまとめ示す 副業・兼業の労務管理など課題は山積
公開日時 2019/12/27 04:51
厚生労働省は12月26日に開催した第6回の「医師の働き方改革の推進に関する検討会」で、「これまでの議論のまとめについて(案)」を提示した。第1回の会合で検討を要する論点として挙げられた「医師の時間外労働の上限規制に関して、医事法制・医療政策における措置を要する事項」について、(B)(C)水準指定、追加的健康確保措置、評価機能など項目別に整理している。「最速で年内」のとりまとめを目指していたが、十分に整理できていない項目があることや、時間外労働の実態把握の方法など積み残しの議題もあるため、来年以降も議論を継続していく予定だ。
この日の会合では、前回に引き続いて副業・兼業の場合の労務管理が議論になった。通算した労働時間をもとに上限規制を適用していく見通しであるが、複数医療機関にまたがる労働時間管理や追加的健康確保措置の実施などは、副業・兼業のパターンが医師1人ひとり異なるだけに煩雑を極める。山本修一構成員(千葉大学医学部附属病院病院長)は、「本音としてはできない」と述べ、新たな仕組みや管理システムづくりなどで国の“後押し”を要望した。
「これまでの議論のまとめ」では特に異論は出なかったが、検討会のスケージュールに関する質問に対して、吉田学医政局長は「2024年までに確実な仕組みづくりをしていかないといけないという強い思いがある。どのようなかたちになるのか丁寧にご紹介させていただきながら、ご意見を積み重ねながら進めていく必要がある」と強調し、来年以降の検討に理解を求めた。