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「薬剤師を大事にしている企業」 トップは保険薬局で沢井 病医院は第一三共

公開日時 2019/12/26 04:52
保険薬局の薬剤師が「薬局・薬剤師を大事にしているメーカー」だと感じている企業のトップは沢井製薬―。ネグジット総研MMPR(http://www.mmpr.jp/)がこのほどまとめた意識調査結果からわかった。沢井は2年連続の1位となる。評価コメントをみると、訪問頻度の多さを挙げる内容が4割超を占めた。病医院勤務薬剤師が選んだ第1位は第一三共で、薬剤師向け勉強会の充実が評価を上げた。5年連続の1位となる。

文末の「関連ファイル」に製薬企業イメージ総合ランキング上位10社などの資料を掲載しました(会員のみダウンロードできます)。

調査では、同社の薬剤師モニターに製薬企業59社についてのイメージを聞いた。有効回答数は450人で、内訳は保険薬局勤務が300人、病院・診療所(病医院)勤務が150人。調査期間は10月25日~11月5日。調査結果は「薬剤師が選ぶ製薬企業イメージ調査ランキングレポート2019」としてまとめた。この調査は07年から行っている。

「薬局・薬剤師を大事にしているメーカー」の結果をみると、保険薬局勤務の上位5社は、トップの沢井を支持した薬剤師は12.0%で、2位は第一三共(6.3%)、3位は東和薬品(5.0%)、4位タイとして大塚製薬、武田薬品、日医工(各4.3%)――となった。病医院勤務の上位5社は、トップの第一三共が9.3%で、2位は武田(8.0%)、3位は中外製薬(6.7%)、4位は大塚(6.0%)、5位タイはアステラス製薬、大塚製薬工場、沢井(各5.3%)――だった。

■沢井は「来局頻度が一番高い」

保険薬局1位の沢井を推した薬剤師コメント36件のうち16件が訪問頻度の多さや速さに関するもので、前年調査と同様の傾向だった。コメントは例えば、「来局頻度が一番高い」「薬局訪問がマメ」「訪問回数が多く、取り扱い品目と情報が多い」といった内容だ。他社を評価するコメントでも、訪問頻度の多さに好感をもったとの内容が多いが、沢井は多くの薬局から寄せられており、より組織だった行動がなされているといえそうだ。

2位の第一三共は、薬剤師向け勉強会の企画が多いことのほか、「MRの質が一定で、引き継ぎがよい」「出会うMRの雰囲気。どのMRも誠実に寄り添ってくれる気がする」「MRの印象が良い」と、一定レベル以上の“第一三共MR”で組織していることも評価につながった。3位の東和も訪問頻度に好印象を持った薬剤師が少なくないうえ、直販や、印字などの製剤工夫といった「クスリの取り扱いで独特なところがある」と、ユニークな特徴が薬剤師に良い記憶として残ったようだ。

■第一三共に「担当者変わってもコツコツ顔を出し、信頼している」

病医院1位の第一三共は、保険薬局と同じく、「担当MRがきめ細やか。最近は大病院以外、MRが毎日コンスタントに訪問しない印象を感じているが、第一三共は担当者が変わってもコツコツ、少しでも何かあれば、顔を出してくれて信頼している」と、“第一三共MR”への信頼が寄せられた。また、評価コメントの15件中7件が勉強会・講演会に関するもの。「講演会が多い」「製品説明会等、情報提供が充実している」との内容が見られた。

2位の武田に対しては頻回訪問に加え、「地域の医療情報など、幅広い情報提供をしてくれる」と地域医療を念頭に置いた活動を評価する声があった。3位の中外では、「医師と同等の対応をしてくれる」「医師への情報提供内容について報告していただける」「情報提供が丁寧」など、医療連携を見据えた活動を評するコメントが複数あった。

■17項目による製薬企業イメージ総合ランキング 1位は武田薬品

同調査では、薬剤師450人に▽コールセンター▽営業力▽開発力▽好感度▽社会貢献▽情報発信――の6分野17項目それぞれについて製薬企業をランキングしてもらい、17項目それぞれの1位~10位の企業に10ポイント~1ポイントを付与して総合ランキングとしている。17項目全てで1位をとった場合は、170点満点となる。

その結果、総合1位は前年2位の武田で獲得ポイントは153、前年調査比で11ポイント伸ばした。2位は前年1位の第一三共で獲得ポイントは139、前年比で5ポイント減らした。前年は1位の第一三共と2位の武田は2ポイントの僅差だったが、今回は1位の入れ替えとともに14ポイントの差がついた格好だが、これは武田の躍進によるものといえそうだ。

武田は今回、6分野中5分野でトップ3入りした。営業力、開発力、好感度で1位を獲得し、社会貢献と情報発信は2位だった。特に好感度で前年比6ポイント増、社会貢献と情報発信で各5ポイント増となったことが総合1位の原動力となった。

第一三共は全6分野でトップ3入りした。コールセンターと情報発信で1位、営業力と好感度で2位、開発力と社会貢献で3位――となった。社会貢献で前年比4ポイント減らしたが、これ以外の5分野は、横ばいもしくは1ポイントの増減だった。

なお、総合3位は前年4位のファイザーで獲得ポイントは89、前年比で20ポイント減らした。前年3位のアステラスは今回4位に順位を下げた。

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