米FDA 核酸医薬のGivlaari承認 急性肝性ポルフィリン症の適応で
公開日時 2019/12/03 04:50
米食品医薬品局(FDA)は11月20日、米Alnylam Pharmaceuticals社のGivlaari(givosiran)について遺伝性疾患の急性肝性ポルフィリン症の適応で承認した。同剤は、siRNA医薬で、Alnylam社にとってはFDAの承認を受けた2剤目の核酸医薬となった。FDAは、同剤に対して、画期的新薬(BT)および優先審査の指定を行っていた。
Alnylam社のJohn Maraganore CEOは、「我々は、本日のニュース(承認)が我々の新規クラス薬剤としてのRNAi(RNA干渉)療法の有望性と可能性を強化するもので、わが社の2020年の目標にもう一歩近づけるものだ。2020年の目標とは、持続的イノベーションを維持するために成長と内的製品エンジンを動かしていく層の厚いパイプラインを持ち、複数の製品を扱う世界的企業を作り上げることである」と今後への意欲を示した。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のRichard Pazdur腫瘍研究センター長兼腫瘍疾患部部長代理は、「ポルフィリン分子の蓄積は、重度の疼痛、麻痺、呼吸不全、てんかん発作や精神状態の変化などポルフィリア発作という急性発作を引き起こす。これらの発作は、突然起こり、永久的な神経学的損傷や死を招く」と指摘したうえで、「本日の承認以前には急性肝性ポルフィリン症に対する治療選択肢は、これら発作を特徴づける激しい繰り返す痛みを部分的に除去するしかなかった。本日承認された薬剤は、患者の生活を妨げる多数の発作を減らすのに役立つ」と同剤の承認を歓迎した。
急性肝性ポルフィリン症は、非常にまれな遺伝性疾患で血中の酸素との結合に重要な役割を果たしているヘムの産生の途上で毒性を持つポルフィリン分子が蓄積され、光線過敏症、呼吸器症状、精神症状など各種症状を出現する重篤な疾患。