病院経営はこの数年間で着実に変化している
薬剤購入者の息遣いを注視せよ
公開日時 2019/10/31 00:00
病院経営はここ数年間で着実に変化している。政府が地域包括ケアシステムの構築に動く中で、2016年、18年の診療報酬改定は病院長や事務長の経営マインドに少なからず変化をもたらした。揺り動かす背景に日本の人口構造の変化がある。人口の高齢化がピークを向かえる2025年に続き、30年には労働生産人口の減少が顕著となり、地方経済の根幹を揺さぶる。病院経営面では病床稼働率の維持が人口減で厳しさを増す一方で、高額薬剤の登場に伴い物品購入費が年々増加し、経営課題の一つに急浮上してきた。こうした購入者側の変化を知らずして製薬ビジネスは成り立たないのだ。(沼田佳之)過去2回の診療報酬改定を通じ、病院経営者は地域社会の抱える問題に目を向けるようになった。厚労省は2025年に求められる医療供給量を事前に把握する目的...