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塩野義 抗インフルエンザ薬ゾフルーザの予防投与を国内申請 自費で使用

公開日時 2019/10/17 03:50
塩野義製薬は10月16日、抗インフルエンザウイルス薬ゾフルーザ(一般名:バロキサビル マルボキシル)について、日本で、インフルエンザウイルス感染症の予防に関する効能追加申請を行ったと発表した。申請は同日付け。同社は本誌取材に、今回の予防投与が保険の給付対象かどうかについて、「他の抗インフルエンザ薬と同様に、基本的に自費診療になると考えている」と説明した。

申請時期から、今冬の2019-20シーズン中の承認取得は難しそうだ。

予防投与の申請は、インフルエンザウイルス感染症患者(初発患者)の同居家族・共同生活者750例を対象に日本で実施した多施設共同、無作為化、プラセボ対照二重盲検比較のフェーズ3(P3)試験「BLOCKSTONE試験」の結果に基づくもの。被験者はゾフルーザの1回投与群(投与量は年齢・体重に応じて調整)とプラセボ投与群に無作為に割り付けた。主要評価項目は投与後10日間における、インフルエンザに感染し、発熱かつ呼吸器症状を有する被験者の割合とした。

その結果、症状が発現した被験者の割合は、ゾフルーザ投与群が1.9%、プラセボ投与群が13.6%で、ゾフルーザの投与によりインフルエンザウイルス感染症の発症割合はプラセボ群に対し86%減少させた(p<0.0001)。有害事象の発現率はゾフルーザ群とプラセボ群でそれぞれ22.2%と20.5%で、ゾフルーザ群で重篤な有害事象の発現は認められなかったという。

なお、同試験でのゾフルーザの投与量は、12歳以上で体重が▽80kg以上 80mg▽80kg未満 40mg――。12歳未満で体重が▽40kg以上 40mg▽20kg以上40kg未満 20mg▽10kg以上20kg未満 10mg(顆粒剤)▽10kg未満 1mg/kg(顆粒剤)――とした。

■顆粒剤 19-20シーズン前の発売は「厳しい」

ゾフルーザの顆粒剤は、成人及び12歳以上の小児と、12歳未満で体重20kg以上の小児に対する用法・用量で18年9月に承認されたが、現在も薬価未収載となっている。いま顆粒剤を発売すると、20kg未満の小児への適応外使用のリスクがあるためで、同社は医療現場の混乱を回避するため発売を見合わせている。

同社によると、20kg未満の小児を対象とした顆粒剤の臨床試験は終了し、現在、申請中。ただ、ゾフルーザ耐性変異株の解析もあり、規制当局は慎重に審査している段階という。このため同社は、「19-20シーズン前の発売は厳しい」との見方を示したが、19-20シーズン中の発売の可能性は明言を避けた。
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