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厚労省 添付文書改訂を指示 タグリッソ、「重大な副作用」に皮膚粘膜眼症候群など追加

公開日時 2019/09/25 03:51
厚生労働省医薬・生活衛生局は9月24日、新たな重大な副作用などが判明した医療用医薬品の添付文書を改訂するよう、日本製薬団体連合会に医薬安全対策課長通知で指示した。アストラゼネカの抗がん剤タグリッソ錠(一般名:オシメルチニブメシル酸塩)について、国内外の症例が集積されるなどしたため、添付文書の「重大な副作用」に中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)、多形紅斑――を追加する。

日本イーライリリーの抗リウマチ薬オルミエント錠の「重大な副作用」に静脈血栓塞栓症を追加するほか、中外製薬の関節リウマチなどに用いるアクテムラ点滴静注用と同皮下注の「重大な副作用」に肝機能障害を追加することも行う。

フルオロキノロン系及びキノロン系抗菌薬13成分について、腱、精神、神経に関連した副作用に関して米国や欧州で添付文書改訂が行われた。この諸外国での措置状況や、国内症例や公表論文などの情報を踏まえ、日本でも添付文書を改訂することにした。

添付文書の改訂指示があった医薬品は次の通り。

オシメルチニブメシル酸塩(製品名:タグリッソ錠)
承認取得者:アストラゼネカ
薬効分類:429(その他の腫瘍用薬)

指示概要:「重大な副作用」に、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑を追記。

直近3年間の国内報告数:中毒性表皮壊死融解症0例。皮膚粘膜眼症候群5例(死亡0例)、うち医薬品と事象との因果関係が否定できない症例2例。多形紅斑関連症例3例(死亡0例)、うち医薬品と事象との因果関係が否定できない症例3例。

改訂理由:国内外の症例が集積され、専門委員の意見も踏まえ、改訂することが適切と判断。

バリシチニブ(製品名:オルミエント錠)
承認取得者:日本イーライリリー
薬効分類:399(他に分類されない代謝性医薬品)

指示概要:「重大な副作用」に静脈血栓塞栓症を追記。

直近3年間の国内報告数:静脈血栓塞栓症関連症例5例(死亡0例)、うち医薬品と事象との因果関係が否定できない症例1例。

改訂理由:静脈血栓塞栓症はこれまで、添付文書の「重要な基本的注意」で注意喚起されているが、製造販売後に因果関係が否定できない国内症例が認められたことから、専門委員の意見も踏まえ、改訂することが適切と判断。

トシリズマブ(製品名:アクテムラ点滴静注用、同皮下注)
承認取得者:中外製薬
薬効分類:639(その他の生物学的製剤)

指示概要:「重大な副作用」に肝機能障害を追記。

直近3年間の国内報告数:肝機能障害関連症例11例(死亡0例)、うち医薬品と事象との因果関係が否定できない症例0例。

改訂理由:国内外の症例が集積され、専門委員の意見も踏まえ、改訂することが適切と判断。

▽(1)モキシフロキサシン塩酸塩、(2)トスフロキサシントシル酸塩水和物、(3)レボフロキサシン水和物、(4)シタフロキサシン水和物、(5)シプロフロキサシン塩酸塩水和物、(6)シプロフロキサシン、(7)メシル酸ガレノキサシン水和物、(8)プルリフロキサシン、(9)オフロキサシン、(10)ノルフロキサシン、(11)塩酸ロメフロキサシン、(12)パズフロキサシンメシル酸塩、(13)ピペミド酸水和物――のフルオロキノロン系及びキノロン系抗菌薬(経口薬及び注射薬)
薬効分類:624(合成抗菌剤)

改訂理由:フルオロキノロン系及びキノロン系抗菌薬の機能障害や永続する可能性のある腱、精神、神経に関連した副作用に関して、米国に引き続き欧州でも添付文書が改訂されたことを受け、国内症例、公表論文などの情報に基づき日本での添付文書改訂の必要性を検討した。

その結果、腱障害及び精神症状はフルオロキノロン系及びキノロン系抗菌薬の多くの成分の現行添付文書で一定の注意喚起がなれているものの、発現機序として▽腱障害はコラーゲン組織の障害▽精神症状はGABA神経の抑制など――が考えられ、当該抗菌薬共通のリスクと考えられることから、専門委員の意見も踏まえ、全てのフルオロキノロン系及びキノロン系抗菌薬の添付文書で注意喚起がなされるよう改訂することが適切と判断した。

末梢神経障害は、発現機序や疫学的知見から現時点で一律の改訂は不要と考えられるが、トスフロキサシントシル酸塩水和物、レボフロキサシン水和物、メシル酸ガレノキサシン水和物で国内症例が集積していること、オフロキサシンは国内症例の集積はないもののレボフロキサシンのラセミ体であることから、専門委員の意見も踏まえ、改訂することが適切と判断した。

指示概要:(1)~(13)は前述の成分名に記載した数字のこと。
(1)「重大な副作用」の「腱炎、腱断裂等の腱障害」について、「アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害」とし、初期症状等の記載を整備する。
(2)「重大な副作用」に、「末梢神経障害」「アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害」「精神症状」を追記。
(3)(9)「重大な副作用」に、「末梢神経障害」を追記。「重大な副作用」の「アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害」について、初期症状等の記載を整備する。
(4)「重大な副作用」に、「アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害」を追記。
(5)(6)「重大な副作用」の「アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害」について、初期症状等の記載を整備する。
(7)「重大な副作用」に、「末梢神経障害」「アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害」を追記。
(8)(13)「重大な副作用」に、「アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害」「精神症状」を追記。
(10)「重大な副作用」の「アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害」について、初期症状等を追記する。
(11)「重大な副作用」に、「精神症状」を追記。「重大な副作用」の「アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害」について、初期症状等の記載を整備する。
(12)「重大な副作用」の「アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害」について、初期症状等を追記する。

直近3年間の国内報告数:
【末梢神経障害関連症例】
(2)(7)(9)0例
(3)6例(死亡1例)、うち医薬品と事象との因果関係が否定できない症例2例(うち医薬品と事象による死亡との因果関係が否定できない症例0例)
【腱障害関連症例】
(1)(2)(4)~(13)0例
(3)36例(死亡0例)。なお、医薬品と事象との因果関係は評価していない。
【精神症状関連症例】
(2)(8)(11)(13)0例。
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