卸連 10月の消費税引上げ改定で「混乱生じさせない」よう対応求める
公開日時 2019/07/25 03:51
日本医薬品卸売業連合会(卸連)は7月24日の中医協薬価専門部会の業界ヒアリングで、10月に迫った消費税率引上げに伴う薬価改定について、医薬品流通に混乱を生じさせないよう対応を求めた。また、流通改善ガイドライン(GL)の遵守状況と今後の課題として、「未妥結減算制度や流通改善GLの趣旨が徹底されるようにして頂きたい」と要望した。
卸連は消費増税に伴う薬価改定で想定される混乱として、「需給バランスの崩壊」、「価格交渉が困難になる」の2点をあげた。具体的には、改定後に薬価が上がる新薬創出加算品や基礎的医薬品について、「駆け込み需要が発生する可能性がある」と指摘。特に市場の3分の1を占める新薬創出加算品については、代替製品がなく増産も見込めないことから、需給バランスが崩れ、医薬品の安定供給が困難になる恐れがあるとの見方を示した。
一方、改定後に消費税引上げ分を転嫁しても実勢価による改定で薬価が下がる長期収載品や後発品については、①早期妥結の後退、②一時売差マイナスの拡大、③過大な値引きの助長-などの問題が発生する可能性があると指摘。流通改善GLに逆行する恐れがあるとして対応を求めた。
◎単品単価契約-薬価本体価格の値引率による交渉徹底を
このほか流通改善GLの遵守状況については、9月までの妥結率の大幅な向上や遡及値引きが無くなるなどの進展が見られたと報告。ただ、10月以降の再交渉で変動する可能性もあることから必要な対策を求めた。単品単価契約については、引き続き価格交渉の段階から医薬品の価値を踏まえた交渉を推進するため、薬価本体価格の値引き率による交渉(消費税表示カルテル)の徹底に取り組んでいく必要があるとした。