田辺三菱製薬 経口腎性貧血治療薬・バダデュスタットを承認申請
公開日時 2019/07/24 03:51
田辺三菱製薬は7月23日、バダデュスタット(開発番号「MT-6548」)を腎性貧血治療薬として日本で承認申請したと発表した。腎性貧血に対する標準治療は赤血球造血刺激因子製剤(ESA)という注射剤だが、申請した薬剤は1日1回の経口剤で、治療の新たな選択肢となる。
透析前の保存期および血液透析または腹膜透析を実施中の腎性貧血患者を対象に開発した。同剤は、低酸素状態で、血中の鉄の動員やエリスロポエチン産生に関与する低酸素誘導因子(HIF)を活性化させ、赤血球の産生を高めるとされる。HIFの活性を抑えるプロリン水酸化酵素阻害する作用によるもので、「低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(HIF-PH)」阻害薬と呼ばれる。同社は8日付で承認申請した。
田辺三菱が2015年に米Akebia社から導入し、日本での販売権も持つ。両社の契約に基づき、今回の承認申請で田辺三菱は、米Akebia社にマイルストンとして1000万ドルを支払う。また、今後の開発および販売に伴い最大約2億0500万ドル、日本とアジアの一部におけるバダデュスタットの販売額に応じて最大20%のロイヤリティを支払う可能性がある。