MSD 新規抗生物質製剤・ザバクサ配合点滴静注用を発売
公開日時 2019/06/26 03:50
MSDは6月25日、新規抗生物質製剤・ザバクサ配合点滴静注用(一般名:タゾバクタムナトリウム/セフトロザン硫酸塩)を発売した。同剤は、血流感染を起こしやすいとされる尿路感染症、腹腔内感染症に対する治療薬。耐性菌の一種であるESBL産生菌や緑膿菌による難治化という課題に対し、セフトロザンは緑膿菌などに強い抗菌活性を示す。タゾバクタムを配合することで、ESBL産生菌を含む大腸菌など腸内細菌などに幅広い抗菌活性を示す。
同剤は、新規セフェム系薬であるセフトロザン1.0gにβ-ラクタマーゼ阻害剤・タゾバクタム0.5gを配合したもの。レンサ球菌属、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、緑膿菌に抗菌活性を有する。適応症としては膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍。同社の発表によると、国内第3相試験で尿路感染症に対する細菌学的効果は75.8%、腹腔内感染症に対する臨床効果は87.0%だった。薬価は、1瓶(1.5g)6335円。
通常、成人には1回1.5gを1日3回60分かけて点滴静注する。 腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍に対して用いる場合はメトロニダゾール注射液と併用する。