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薬粧連合が根本厚労相に要請書 雇用や人財流出を懸念 イノベーション評価と国民皆保険の両立を

公開日時 2019/06/18 03:50

医薬化粧品産業労働組合連合会(薬粧連合)は6月17日、「イノベーションを適切に評価する仕組みと国民皆保険制度を持続させる制度の見直し」などを求める要請書を根本匠厚労相宛に提出したと発表した。要請書では、薬剤費が抑制されるなか、雇用環境が厳しくなり、人材流出が生じれば、「今後の新薬の開発や安定供給にも影響を及ぼす」と指摘。革新的な新薬を継続的に創出し、イノベーションを適切に評価する仕組みづくりが必要だと訴えている。要請書は、薬粧連合の浅野剛志会長らが同日、厚労省医政局経済課の三浦明課長に直接手渡した。(写真提供:薬粧連合)

薬粧連合には6月1日時点で、第一三共グループ、アステラス製薬、中外製薬、シオノギグループ、ツムラなどの労働組合15組織、2万8707人の組合員が加盟している。

要請書では、日本の製薬産業は、自動車、電機、鉄鋼などの主要製造業と並んで日本経済の発展に貢献してきたと指摘。世界的な高齢化の進展や発展途上国の医療システムの構築などで「これからも成長産業の一つとして日本経済を牽引していく役割が期待されている」と強調した。

政府の「薬剤費抑制策」を牽制 足元の雇用環境の不安定化や人財流出を懸念

一方で、医療、介護など社会保障費の伸びの抑制に向けた政府の対応策が「薬剤費抑制策」に向けられていると懸念を表明。これまでの改革断行により、医薬品産業の「足元では雇用環境の不安定化や人財の流出が生じ、今後の新薬開発や安定供給にも影響を及ぼすことが考えられる」と危機感を表明した。その上で今後の対応策として、革新的新薬を継続的に創出できるイノベーションを評価する仕組みと、国民皆保険制度を持続的・安定的に運営できる制度の改革を行うべきと政府側に求めた。

◎イノベーションを適切に評価する仕組みの導入を


このほか各論では、①イノベーション促進と国民皆保険制度持続の両立、②国民の健康寿命の更なる延伸、③医薬品産業としての社会的責任-の3本を訴えの柱に据えた。このうちイノベーションの促進に関しては、2018年度薬価制度抜本改革で争点となった新薬創出等加算制度について、「対象品目の大幅な絞り込みによって、多くの企業の開発意欲を著しく損ねる内容と言わざるを得ない」と指摘し、見直しを求めた。特に企業要件は、公平性や予見性に欠けるとして撤廃するよう要請している。また基礎的医薬品については対象品目の拡大を主張。「安定供給に向けた企業や労働者の努力は限界に近い」として、特に血液製剤や医療用漢方製剤へ拡大するよう訴えた。費用対効果評価制度についても、反対の立場を表明した。

このほか、健康寿命の延伸のため、セルフメディケーションを推進することや、スイッチOTCの品目の拡大も求めている。また、ワクチンによる予防医療の推進も需要だとして、公衆衛生上必要なワクチンの定期接種化や、開発に必要な費用の財政的支援の拡充も訴えた。


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