中外製薬 「中外ライフサイエンスパーク横浜」22年8月竣工へ 御殿場・鎌倉の研究所は閉鎖
公開日時 2019/05/22 03:50
中外製薬は5月21日、中核的な研究施設「中外ライフサイエンスパーク横浜」を神奈川県横浜市戸塚区に建設すると発表した。1273億円を投じ、グローバルで最高品質の革新的新薬を創出する拠点として整備する。これに伴い、富士御殿場研究所(静岡県御殿場市)と鎌倉研究所(神奈川県鎌倉市)の機能および研究員約900人は新研究所に集約する。竣工は2022年8月を予定。
新研究所は省エネ対策や排出CO2削減など、環境に配慮した施設設計を目指す。着工は今年8月を予定しており、竣工は22年8月、正式稼働は23年1月を予定する。建築面積は3万5210㎡、延床面積は11万9960㎡。
同社はこれまで富士御殿場研究所と鎌倉研究所の2拠点を中心に、次世代抗体医薬や中分子創薬技術の開発、革新的新薬の創製などの研究を行ってきた。近年はAI(人工知能)の活用やラボオートメーションの進展など、様々な研究機能のプラットフォームの共有・活用が求められるようになっている。このため分散していた研究拠点を1つに集約し、機能の最大化を図ることになった。
一方、中期経営計画「IBI21」でも、治癒・疾患コントロールを目指した革新的新薬の実現をテーマに、新たな次元での創薬に挑戦する方針を打ち出している。これを受けて新研究所では、創薬コア技術を強化し、病態の更なる深い理解から独創的なターゲット同定につなげることで、創薬を加速する方針だ。これに伴い富士御殿場研究所と鎌倉研究所は閉鎖する。