中外製薬 経口の脊髄性筋萎縮症治療薬リスジプラムがオーファン指定 20年申請予定
公開日時 2019/03/29 03:50
中外製薬は3月27日、脊髄性筋萎縮症の経口治療薬として開発中のリスジプラム(開発コード「RG7916」)が厚労省から希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受けたと発表した。同剤は運動機能の維持に必要な機能するSMNタンパク質の産生を増やし、運動機能の改善が期待される。日本でフェーズ2/3を行っており、2020年の承認申請を予定している。承認されれば、脊髄性筋萎縮症では初めての経口剤となる。
オーファン指定されると、開発費の助成、申請後の優先審査、承認時には再審査期間が最長10年間に延長されるなどの支援措置が受けられる。
脊髄性筋萎縮症は、遺伝的要因により、脊髄の運動神経細胞が変性し、進行性の筋委縮や筋無力を引き起こす。最も重篤なタイプでは麻痺状態となり、呼吸や嚥下など生命維持のための基本的な身体機能に支障をきたす恐れがある。乳幼児から小児期の患者数は10万人に1~2人という。指定難病。
脊髄性筋萎縮症の治療薬には、バイオジェン・ジャパンの髄腔内注射剤スピンラザがある。また、ノバルティスファーマが18年11月に、脊髄性筋萎縮症に対する遺伝子置換療法「AVXS-101」(開発コード)を日本で承認申請している。この治療法は1回完結を予定する。