ニプロの再生医療等製品「ステミラック」が薬価収載 4月以降に受注開始へ
公開日時 2019/02/27 03:51
ニプロは2月26日、脊髄損傷の治療に用いる再生医療等製品「ステミラック注」(一般名:ヒト(自己)骨髄由来間葉系幹細胞)が同日付けで薬価収載されたと発表した。4月以降に受注を開始し、共同開発した札幌医科大学1施設で提供する。同社広報部は、「4月以降、病院内での受け入れ調整などが済んだ段階で受注を開始したい」とコメントしている。
ステミラックは、ニプロが札幌医科大学と共同開発し、先駆け審査指定制度の再生医療等製品としては初めての承認となった。薬価は1495万7755円(1回分)。患者の骨髄液から採取した間葉系幹細胞を培養、体内に静注することで、脊髄損傷に伴う神経症候や機能の改善を図るとされている。ただ対象となるのは、「外傷性の脊髄損傷で、ASIA機能障害尺度がA、BまたはCの患者」に限られる。
◎厚労省「一定の要件満たす医療機関で使用を」留意事項通知発出
同製品をめぐり厚労省保健局医療課は2月25日付で、安全性を確保する観点から、診療報酬上の留意事項通知を各都道府県宛てに発出した。これを通じて、医療機関への周知を図る。通知では、脊髄損傷患者の全身管理の可能なICUなどを有することや、標準的なリハビリテーションが実施可能な体制などの体制整備を求めている。また、「脊髄損傷に関する十分な臨床経験を有し、AIS評価が適切に行えること」など医師に対する要件も盛り込んだ。