英NICE KymriahをDCLBC適応で抗がん剤基金を通じた使用を推奨
公開日時 2019/02/19 03:50
英国立医療技術評価機構(NICE)は2月1日、Novartis社のCAR-T細胞医療・Kimriah(日本製品名=キムリア、tisagenlecleucel)について、NHS(国民保健サービス)における抗がん剤基金(Cancer Drug Fund=CDF)を通しての使用を推奨することを発表した。推奨内容は、成人における再発もしくは難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DCLBC)を適応としたもの。
KimiriahのDCLBCの適応でのNHSでの使用は、2018年9月にNHSにおける通常使用では費用対効果に見合わないとして非推奨の判断を出していたが、その後の検討でCDFでの使用を推奨していた。Kimiriahは、2018年9月に25歳以下の青年および小児における急性リンパ芽球性白血病(ALL)の適応で、同様にCDFでの使用が推奨されている。
なお、同じCAR-T療法でKite社(Gilead社グループ)のYescarta(axicabtagene-ciloleucel)は2018年12月に、成人における再発もしくは難治性びまん性B細胞リンパ腫および縦隔原発大細胞型B細胞リンパ腫の適応でCDFの使用を推奨されている。
NICEのMeindert Boysen医療技術評価センター(CHTE)長は、「新たに成人のリンパ腫患者に革命的なCAR-T療法を推奨できるのは個別化医療の前進を示すものである。我々は、NICEとNHSイングランドおよび当該企業が協力したおかげで、患者がこのような画期的治療法からの恩恵を受けるようになったことを喜んでいる」とCDFでの使用を歓迎した。
血液がん慈善団体BloodwiseのAlsdair Ranklin氏は、「CAR-T療法は、過去10年間で、今後、さらに広範囲に使用される可能性を持つ血液がん治療法の最も有望なブレークスルーである。CAR-T療法へのアクセスを保障することは、DCLBC患者に他治療法が無効の場合に長期生存の真のチャンスを提供する」と期待感を示した。
DCLBCは非ホジキンリンパ腫(NHL)の一種だが、英国では、2015年には11690例が新規にNHLと診断され、そのうち、4688例がDCLBCだった。