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日本医薬品卸売業連合会(卸連)と日本薬業政治連盟(薬政連)による「叙勲、厚労大臣表彰受賞者祝賀会・懇親会」が1月31日、東京都内で開かれ、主催者、来賓からは10月に予定される消費増税に伴う薬価改定による医薬品流通の混乱の回避に向けた声が相次いだ。来賓あいさつに立った根本匠厚生労働大臣は、現場負担や円滑な流通確保に「十分に留意」するとの姿勢を示した。 卸連の鈴木賢会長(バイタルネット会長)は、10月に予定される薬価改定について「近年例のない年度途中の改定のため、品目によっては仮需の発生、返品や急配の増加など流通への影響が懸念される。同時期に未妥結減算ルールや薬価調査の対応があり、医薬品流通にとって厳しい環境が見込まれる」と強い懸念を示した。その上で「安定供給、流通改善をさらに進める観点から、医薬品流通に混乱を及ぼすことのないよう対応を進める」と表明した。 中山讓治会長(第一三共会長)も、増税改定に触れ「タイミングややり方によって大きな混乱を招きかねない」と指摘。「一緒になって薬価改定をうまく乗り切り、患者さん、先生方に迷惑をかけないよう全力で対処したい」と述べた。 医療側からは、日本医師会の横倉義武会長が、同改定に触れ「医療の提供において、国民に混乱が生じないよう最大限の努力をし、関係者が協力し、国民の生命と健康を守る責務を果たしてく」との姿勢を示した。日本薬剤師会の山本信夫会長は、20年度の通常改定、頻回改定も含め「目前には課題山積で厳しいが、国民のための医薬品卸売業の確立に向け尽力を願う」と話した。 根本厚労相 「円滑な流通確保に十分留意」 根本厚労相は、消費増税改定について「適正な消費税の転嫁を行う観点から市場実勢価を踏まえた改定を行う」と説明した上で、「厚労省としても、現場の負担や円滑な流通確保に十分に留意した上で改定に取り組む」との姿勢を示した。また、流通改善ガイドラインによる取り組みについて「医薬品の安定供給と医療保険制度の信頼性の確保」に必要であるとして、引き続きの推進を求めた。 伊吹・元衆議院議長 薬価調査の現場負担軽減で話し合いを 元衆議院議長の伊吹文明衆議院議員も出席し、10月の増税改定に続き20年度以降も薬価改定が続くことに触れ、その際行われる薬価調査について現場負担の軽減に向け話し合いしていく必要性を強調した。伊吹氏は「全量調査となっているが、どこまで調査するのか。それにどういう意味があるのか。そのへんについて(卸連、薬政連の)役員の皆さんと我々厚生関係の者が相談をして、できるだけ調査を絞り、(現場に)ご迷惑をかけないようにしたい」と述べ、協力を呼びかけた。
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