第一三共とGSK ジャパンワクチン解散で合意 今後は各社で事業展開
公開日時 2018/11/15 03:50
第一三共とグラクソ・スミスクライン(GSK)は11月14日、日本でのワクチンの開発と営業を行う合弁会社「ジャパンワクチン」を解散することで合意したと発表した。小児領域ワクチン市場でトップの実績など一定の成果が得られたことから、今後は各社それぞれが展開することが事業強化につながると判断したとしている。皮内投与型季節性インフルエンザワクチンの開発中止、第一三共とサノフィの契約満了によるインフルエンザ菌b型感染症ワクチン・アクトヒブの年内販売終了(19年1月からサノフィが単独販売)も影響した。
解散時期や開発品の扱い、今後のビジネススキームは両社で詳細を詰める。従業員約270人については、両社社員が転籍しているが、各社それぞれに戻す方向で検討する。
ジャパンワクチンは資本金1億円を折半する形で設立され、2012年7月に営業開始。新規ワクチンの開発、両社それぞれが製造販売するワクチンの営業を行ってきた。売上高は開示していない。国内市場に強い第一三共と開発やパイプライン豊富なGSKが補完し、ワクチンの販売、普及を進めてきたが、互いに日本でのワクチン事業のノウハウが得られたことなど、合弁による展開の必要性が薄れたことが背景にあるとみられる。
第一三共としては、ワクチン事業の強化に向けて事業再編を進めており、ジャパンワクチンの解散も一環。4月には子会社の北里第一三共ワクチンを、19年4月に生産子会社にすることを決定している。GSKのグローバルの事業再編の一環との見方についてGSKは「基本的に関係なく、大きな理由ではない」としている。
第一三共は「今後は当社が主体的にワクチン事業に行い、事業を強化していく」(コーポレートコミュニケーション部)とコメント。GSKは、「ワクチンは我々のビジネスの重要な柱。日本の公衆衛生に貢献できるよう今後も注力していく方向」(エクスターナルコミュニケーション)としている。