日医 乾燥BCGワクチンへのヒ素混入問題で厚労省に抗議文提出へ
公開日時 2018/11/08 03:50
日本ビーシージー社が製造する乾燥BCGワクチンの添付溶剤の生理食塩水から微量のヒ素が検出された問題で、日本医師会は11月7日、厚生労働省に対して今週中にも抗議文を提出する考えを明らかにした。日本ビーシージー社が厚労省に報告した8月以降、日医や医療機関への情報提供・周知徹底がなされず、11月5日に開かれた検討会で報告されたことで明るみになったことを問題視した。日医の釜萢敏常任理事は、医療現場は患者からの問い合わせに対応する必要性があることを説明。「厚労省は、日医や医療機関などに速やかに情報が届けられるよう対応すべきだ」と批判した。
日本ビーシージー社が乾燥BCGへのヒ素混入を厚労省に報告したのは8月9日のこと。厚労省は11月5日、薬事・食品衛生審議会(薬食審)医薬品等安全対策部会安全対策調査会に、この問題と対応策について報告した。具体的には、▽11月中旬から下旬以降、乾燥BCGワクチンを新しい製品に切り替え、交換を速やかに行う、▽乾燥BCGワクチンの最終製品中のヒ素の濃度を確認することによって品質を確保する―ことで、同調査会で了承されている。
日医の釜萢常任理事は、「供給される最終段階でのチェックは当然のことだ」と述べた。そのうえで、「予防接種は接種に伴う健康被害が起こらないよう、最大限注意しないといけない。今後こういった事態が起こらないようにしてほしい」と注文をつけた。なお、厚労省側は、「人体に影響はなく、確認作業に時間がかかった」としている。