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中外 抗がん剤パージェタ、効能・効果が「HER2陽性の乳がん」に

公開日時 2018/10/11 03:50

中外製薬は10月10日、抗がん剤パージェタ点滴静注(一般名:ペルツズマブ(遺伝子組換え))について、厚労省から「HER2陽性の乳がんにおける術前・術後薬物療法」の効能追加承認を同日付けで取得したと発表した。同剤の効能・効果は、これまで「HER2陽性の手術不能又は再発乳がん」だったが、今回の追加承認により、「HER2陽性の乳がん」となった。HER2陽性の早期乳がんに対する新たな治療選択肢となる。

同社の伊東康・上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長は、「早期乳がんに対する治療の目標は、治癒を目指すこと。これまでの治療の進歩により改善してきたが、残念ながら再発する患者さんもいる」とし、「この度の承認により、HER2陽性の早期乳がんに対する治療選択肢として提供することで、パージェタが乳がん治療の進歩にさらなる貢献を果たせることを願っている」とコメントした。

今回の承認は国際共同フェーズ3試験のAPHINITY試験などの成績に基づく。APHINITY試験では、根治手術を受けた早期乳がん患者4805人(国内302人含む)を対象に、パージェタ、ハーセプチン、化学療法(アントラサイクリン系薬剤投与後にドセタキセルまたはパクリタキセル、またはドセタキセル+カルボプラチン)併用と、ハーセプチンおよび化学療法併用における術後薬物療法について有効性と安全性を検討した。

同試験の主要評価項目は、術後薬物療法後にいずれかの部位での浸潤性乳がんの再発、または理由の如何を問わず死亡を認めない生存期間(IDFS)としたところ、パージェタ併用群で統計学的有意に改善し、再発または死亡リスクを19%減少させた(ハザード比:0.81、95%信頼区間:0.66-1.00、層別 log-rank検定、p=0.0446)。安全性は、パージェタでこれまでに報告されたものと同様という。

今回のパージェタの追加承認は、8月29日の厚労省薬食審医薬品第二部会に報告されたもので、同部会での審議品目や報告品目のほとんどが9月21日付で承認されている。パージェタの追加承認が他剤から2週間超遅れた理由について、同社は本誌取材に、「情報提供や注意喚起の方法を当局と調整していたため」と説明した。

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