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国がんと日本BD 免疫チェックポイント阻害剤投与の効果予測目指し共同研究契約締結

公開日時 2018/06/28 03:50

国立研究開発法人国立がん研究センターと日本ベクトン・ディッキンソン(日本BD)は6月27日、共同研究の締結を発表した。がん治療の画期的な治療薬として注目を集める「免疫チェックポイント阻害剤」の効果予測の実現に向け、新たなバイオマーカーを同定するなど、臨床応用に向けた新たなプラットフォームの構築を目指す。国がんによると、臨床研究で細胞を個々に分析するフローサイトメーターを用いて、がん組織の解析を行うのは世界初。

研究には、BD社の「BD FACSLyric™フローサイトメーター」を活用する。同装置は、細胞の同定や細胞数のカウントを行うことができる細胞解析装置で、最大10カラーの多項目測定に対応できることが特徴で、これまで表現できなかった、細胞の種類や分子発現、機能をあらわすことが可能になる。個々の免疫状態をこれまでよりも的確に把握でき、最適な治療の選択が可能になり、いわゆる個別化医療の推進に寄与すると期待される。

契約は6月25日から3年間。動物モデルで有効性を確認後、国がんを中心に、免疫チェックポイント阻害剤の治療を受けた患者を対象として研究を開始する。国がんによると、免疫療法のバイオマーカーは4割程度が同定されているが、新しいバイオマーカーの発見で9割程度まで引き上げたいとしている。

免疫チェックポイント阻害剤をめぐっては、投与前に効果の有無を予測することが困難であることから、治療効果を向上させるために、有効な患者を同定するバイオマーカーの発見や、新規治療法開発の必要性が指摘されている。

国がんでは、「より効果的な新規がん免疫療法開発およびバイオマーカー探索から同定へと連携して研究を進めていきたい」とコメント。日本BD社は、「社会的影響力の大きいがん研究の分野における日本発のイノベーション構築に貢献できることを嬉しく思う」と述べた。


【訂正】下記の表現に誤りがありました。訂正します。(6月25日 15時40分)


 

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