ファイザー ALK陽性非小細胞肺がん治療薬ロルラチニブが優先審査に 条件付き早期承認制度の適用で
公開日時 2018/06/13 03:51
ファイザーは6月12日、1月に日本でALK陽性非小細胞肺がん治療薬として承認申請したロルラチニブ(開発番号:「PF-06463922」)が優先審査されることになったと発表した。これは、厚労省が2017年10月に導入した「条件付き早期承認制度」の適用を受けたためで、同剤はこの制度の適用の第一号だという。優先審査には8日付で対象になった。年内の承認が見込まれる。
非小細胞肺がん患者のうちALK陽性は3~5%。そのうちALK阻害剤が効かなくなった患者の腫瘍に生じた変異(耐性変異)を解明することにより創製したのがこの薬剤で、課題となっている耐性変異がみられる変異型ALKにも効果が期待されるという。重篤で有効な治療方法が乏しいこの疾患に対し、日本も参加した国際共同第1/2試験で一定程度の有効性と安全性が確認されたことから、早期に実用化を後押しする「条件付き早期承認制度」の適用となった。適用されると優先審査の対象となる。承認時には、製造販売後に有効性・安全性の再確認等のために必要な調査等を実施することなどが条件となる。
予定する効能・効果は「ALKチロシンキナーゼ阻害剤に抵抗性または不耐容のALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」。同剤を承認した国はまだなく、米国では17年4月に1剤以上のALK阻害剤による前治療歴を有するALK陽性転移性非小細胞肺がん治療におけるブレークスルー・セラピー(画期的治療薬)指定を受けている。EMAも承認申請を受理している。