ノーベル 結節性硬化症に伴う皮膚病変薬ラパリムスゲルを新発売
公開日時 2018/06/07 03:50
ノーベルファーマは6月6日、結節性硬化症に伴う皮膚病変治療薬ラパリムスゲル0.2%(一般名:シロリムス)を同日に新発売したと発表した。この適応を持つ世界初の外用剤。通常1日2回、患部に適量を塗布して用いる。薬価は3855円(0.2%1g)。
同剤は一定要件を満たす革新的新薬として厚労省から2015年10月に先駆け審査指定制度の対象品目に指定され、15年12月には希少疾病用医薬品に指定された。
結節性硬化症は遺伝性の希少疾患で、発達障害や脳、皮膚、腎など全身の様々な臓器に腫瘍性病変を生ずる疾患。なかでも顔面の血管線維腫などの皮膚病変は高頻度に出現し、思春期頃より著明になる症状で、生活の質を著しく低下させる。現在の治療法にはレーザー治療や外科的切除と侵襲性の高い治療法が用いられており、再発が多く、色素変化や瘢痕、感染等のリスクもある。
同社は同剤の新発売にあたり、「わが国の結節性硬化症患者さんの生活の質の向上に貢献できるものと確信している。当社は今後もアンメットニーズ医薬品・医療機器の提供を通して社会に貢献していく」としている。
有効成分のシロリムスは、イースター島の土壌から分離された放線菌Streptomyces hygroscopicusの代謝産物で、1970 年代にマクロライド系抗生物質として見出された。その後、免疫抑制作用を有することも明らかになった。シロリムスは細胞の分裂や増殖、生存などを調節する哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)の作用を阻害することで免疫反応を抑制すると考えられている。