CAR-T療法の費用 米国で1か月当たり4000万超 国がん調査
公開日時 2018/05/07 03:50
欧米では承認されているものの日本では未承認の抗がん剤で、1か月あたりの薬剤費が1000万円を超えた薬剤は、血液領域のCAR-T療法の2剤、骨軟部腫瘍(肉腫)の免疫賦活薬1剤だった。国立がん研究センターがこのほど発表した。薬剤費が最も高かったのは、CAR-T療法「KYMRIAH」(一般名:tisagenlecleucel)の4750万円。同薬剤は、ノバルティスファーマが4月23日、国内での承認申請を行ったと発表している。
以下の関連ファイルに、2018年4月4日時点の国内未承認の抗がん剤リスト(欧米での承認状況、1か月あたりの薬剤費などの情報含む)を掲載しました。5月7日のみ無料公開、その後はプレミア会員のみダウンロードできます。
米国の承認用法、平均卸売価格、実勢価格をもとに、1か月あたりの薬剤費も試算したところ、薬剤費が判明している58剤中45剤が1か月あたり100万円以上だった。最も高かったのは、25歳までの難治性または第二再発以降のB細胞急性リンパ芽球性白血病(FDA承認効能の日本語簡略訳)の「KYMRIAH」(一般名:tisagenlecleucel)の4750万円。次いで高かったのは、2つ以上の治療歴がある再発・難治性の大細胞型B細胞リンパ腫(FDA承認効能の日本語簡略訳)CAR-T療法「YESCARTA」(一般名:axicabtagene ciloleucel)の3730万円。米国では17年10月に承認されている。
国がんは、海外での価格がそのまま日本の価格になるわけではないが、最近のがん領域の医薬品は高額だとして、「患者負担と公的負担のあり方について、考えていく必要がある」と指摘している。
◎国内未承認抗がん剤は65剤
国立がん研究センターの発表によると、欧米で承認されているものの、日本では未承認の抗がん剤がのべ65剤(55薬剤65適応症、18年4月4日現在)。内訳は、血液がん30剤、前立腺がんなどの泌尿器がん11剤、乳がん5剤、悪性黒色腫などの皮膚がん4剤、骨軟部腫瘍(肉腫)3剤、肺がん(非小細胞肺がん)3剤、卵巣がん2剤、小児がん2剤—など。