久光製薬・17年度通期決算 国内医療用薬3.1%減収 改定年の18年度は3.5%減収見込み
公開日時 2018/04/11 03:51
久光製薬は4月10日、2018年2月期(17年度)決算を発表し、国内の医療用医薬品事業の売上は735億900万円、前年同期比3.1%減だった。15年12月発売の1日1回の鎮痛消炎外用薬モーラスパップXRが好調だった一方で、1日2回のモーラスパップや最主力品のモーラステープなどで後発品の市場浸透がより進み、結果、同事業全体は減収となった。
18年4月の薬価改定で同社は7%前半のマイナス影響を受けたが、国内医療用薬事業の18年度計画は売上709億円、3.5%減にとどまる。薬価改定のない前年度と同程度の減収幅となる見通しだ。
この点について同社は、▽モーラスパップXRが引き続き好調▽鎮痛消炎外用薬が必要となる高齢者人口の増加により、市場が拡大する▽モーラステープなど主要な長期収載品の更なる薬価引下げが「C」区分の2.00%引下げに該当し、改定影響が従来並みだった――ことを理由に挙げた。モーラステープは前回16年度改定で、いわゆる「Z2」区分で2.00%の追加引下げを受けている。
モーラステープ群の国内売上は17年度が495億円5200万円(前年同期比5.8%減)、18年度計画が459億円(同7.4%減)――。モーラスパップXR群の国内売上は17年度が55億9200万円(同39.6%増)、18年度計画が66億円(同18%増)――。
なお、17年度の連結業績は売上1478億7000万円(同1.3%増)、営業利益263億4500万円(0.2%増)――。国内医療用薬事業は減収、一般用医薬品と国際事業は増収だった。
■アレルギー性鼻炎治療薬アレサガテープ、18年度に発売予定
最新の研究開発パイプラインから日本市場の状況をみると、18年度の発売予定製品はアレルギー性鼻炎治療用貼付剤アレサガテープ。18年度に承認取得を見込むのは、17年8月31日付で申請したがん疼痛・慢性疼痛に用いる貼付剤フェントステープに0.5mgの新用量を追加すること。18年度の申請予定品目はパーキンソン病に用いる貼付剤HP-3000となる。
【連結実績(前年同期比) 18年度通期予想】
売上高 1478億7000万円(1.3%増) 1485億円(0.4%増)
営業利益 263億4500万円(0.2%増) 240億円(8.9%減)
純利益 191億1900万円(6.3%減) 192億円(0.4%増)
【主要製品日本売上(前年同期実績) 18年度予想、億円】
モーラステープ群 495.52(526.05) 459.00
モーラスパップ群 83.99(76.83) 88.00
うち、モーラスパップXR群 55.92(40.04) 66.00
フェントステープ 49.17(53.15) 50.00
ノルスパンテープ 20.79(22.17) 23.00
ネオキシテープ 8.34(12.34) 9.00
アブストラル舌下錠 2.17(2.04) 2.00