日医、日薬、製薬協など6団体 医薬品情報の啓発で共同声明
公開日時 2018/03/29 03:50
日本医師会と日本薬剤師会、日本製薬工業協会(製薬協)など6団体は3月28日、記者会見を開き、患者が幅広く医療や医薬品に関する基礎知識を習得できる資材を、協力して作成することを明らかにした。同日、6団体は共同声明を発表し、医療・医薬品に関する普及啓発の必要性を強調した。背景には、インターネットでエビデンスに裏打ちされていない情報やフェイクニュースが氾濫した問題があり、危機感を募らせた。座長で日本医師会の今村聡副会長は、「医療の提供側と患者やメディアが一緒にスタートを切れたことは意味がある」と述べた。
日本医師会、NPO法人ささえあい医療人権センターCOML、日本薬剤師会、NPO法人日本医学ジャーナリスト協会、日本製薬工業協会、一般社団法人くすりの適正使用協議会の6団体は、宣言で、①医療・医薬品に関する基礎知識の普及啓発を図る、②関係者間の共通認識の醸成に取り組む、③専門家の活用を推奨する―3本柱を掲げている。関係団体や自治体によるイベントで啓発するほか、不正確な情報のうち看過できないものについて、関係機関で情報共有し、国民に対して注意喚起する。同時に情報を自分で判断する前にかかりつけの医師や薬剤師に相談するよう呼びかける。
◎山口COML理事「冷静に情報と向き合うことが必要」
NPO法人ささえあい医療人権センターCOMLの山口育子理事長は、「患者は手にした情報を専門家と共有し、相談して決めていくことが必要だ。冷静に情報と向き合う必要がある」と指摘した。日本薬剤師会の田尻泰典副会長は、「正しくない情報を信じることのリスクや被害を心配している。継続的に活動して、患者が安心安全な治療を受けられるようサポートしたい」と述べた。