米FDA 悪性リンパ腫治療薬・アドセトリスを承認
公開日時 2018/03/23 03:50
米食品医薬品局(FDA)は3月20日、米シアトル・ジェネティクス社(本社:ワシントン州ボセル)の悪性リンパ腫治療薬アドセトリス(ブレンツキシマブベドチン)についてIII期およびIV期の古典的ホジキンリンパ腫(cHL)に対するファーストライン療法の適応拡大を承認した。同剤は、FDAから優先審査および画期的新薬(BT)の指定を受けていた。
今回承認された適応拡大は、成人における未治療のIII期およびIV期のcHLで、化学療法との併用となる。同剤は、cHLに発現するCD30抗原をターゲットとする抗体薬物複合体(ADC)。すでに、再発後cHL、幹細胞移植後に再発および進行のリスクの高いcHL、他療法無効後の全身性未分化大細胞リンパ腫(ALCL)および他療法無効後の皮膚原発未分化大細胞リンパ腫(ALCL)の治療薬として承認されている。
シアトル・ジェネティクス社は同剤について、2009年に武田薬品工業と共同事業化契約を締結。同社が米国・カナダでの販売権を保有し、武田薬品がそれ以外の全世界での販売権を取得している。同社のClay Siegel社長兼CEOは、進行期の古典的ホジキンリンパ腫患者のうち、標準治療を行っても、3割程度までが進行すると指摘し、「若年者を含む患者に、より良い治療選択肢が必要であることを示していた」と述べた。その上で、「我々は、この新規のレジメンについてFDA承認を裏付けることになったECHELON-1試験(PIII試験)に参加した、すべての患者、医師及びスタッフに感謝したい」と話した。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のRichard Pazdur腫瘍研究拠点部長兼血液・腫瘍製品部長代理は、「本日の承認は、40年以上前に臨床現場に導入された進行期ホジキンリンパ腫の初期治療レジメンが改善されたことを示すものだ」との認識を示した。その上で、「この承認は、我々(FDA)が処方者や患者に異なる治療選択肢の進歩を承認するよう取り組んでいる証拠である」と述べた。