ファイザー・原田新社長 革新的医薬品の価値基準のひとつに“患者へのインパクト”も
公開日時 2017/12/14 03:51
ファイザー日本法人の原田明久社長は12月13日、東京都内で開いた記者懇談会で1日の社長就任後初めて挨拶にたち、「医療における企業活動は今、企業中心の考えから、患者さん中心の考えに変わってきている」とした上で、「薬剤の価値も、患者さんにどれだけインパクトを与えることができるかということが重要で、これが世界に通用する革新的医薬品のひとつの価値基準ではないか」との考えを示した。
2018年度の薬価制度抜本改革では、イノベーションを促進・評価する新薬創出等加算が見直され、品目要件や企業要件によって同加算の対象品目や薬価維持の水準が決まる。これまでよりも同加算の対象品目が絞り込まれる方向にある。原田社長は、新薬の価値基準やイノベーション評価のあり方として“患者へのインパクト”の視点の重要さも示した格好だ。
また、原田社長は、「医療におけるイノベーションは産官学それぞれが単独に生み出すものではなく、患者さんも含めた四者が連携を強め、社会全体で生み出すものだ。それを理解した上で、革新的医薬品とはどういうものか、社会全体の議論が必要と考えている」とも語った。
■梅田名誉会長 健康管理・疾病予防で「国民が納得して新薬に支出する流れを」
2009年から8年にわたり同社社長を務めた梅田一郎名誉会長も懇談会であいさつし、国、自治体、企業、国民一人ひとりが健康管理や疾病予防に取り組み、「健康大国を目指していく必要がある」と述べた。そして、「(医療が)本当に必要になった時は、患者さんのために最新の薬剤が適切に使用され、国民が納得して新薬に支出する流れを実現することがこれからの日本には必要だ」と強調し、医療費をコストの観点からだけでとらえることなく、患者を巻き込んだ幅広い議論が行われていくことに期待感を示した。