大正製薬HD・17年度第2四半期 国内医薬7.5%減収 抗菌薬の使用適正化で通期下振れも
公開日時 2017/10/31 03:50
大正製薬ホールディングス(HD)は10月30日、2018年3月期(17年度)第2四半期(4月~9月)決算を発表し、医療用医薬品を含む国内医薬事業の売上高は、新製品群は伸長したものの、抗菌薬を中心に後発医薬品(GE)の影響などが大きく467億5300万円、前年同期と比べ7.5%減となった。
国内医薬事業売上は、骨粗鬆症薬エディロール、SGLT-2阻害薬ルセフィ、経皮吸収型鎮痛消炎薬ロコアが好調に推移する一方、主力抗菌薬のゾシンやクラリスなどがGEの影響で二桁減収になったことが響いた。通期予想は修正しなかったが、国による抗菌薬の適正使用推進による影響について同社は、現段階で動向は読み切れないとした上で、抗菌薬の予想売上が下振れする可能性があるとしている。
鎮痛消炎薬ロコアテープ 通期予想36億円 発売から2年弱でピーク時予想37億円に達する勢い
ロコアについては、通期予想を36億円とし、16年1月の発売から1年9か月で、発売から10年後としていたピーク時販売額予測(中医協資料)37億円に達する勢い。同社は、使用上の効果に対する認知が医師の間で広がっていることを理由に挙げた。同剤は基材を工夫することで経皮吸収性を高めたのが特長。1日1回貼付だが、2枚を超えない貼付制限があることから、同社は、適正使用に向けた情報提供の中で普及を図る方針だとしている。
事業全体の業績は、セルフメディケーション事業がアジアを中心とした海外OTC事業が好調だったこともあり、.6%の増収だったが、国内医薬事業の減収をカバーするには至らず、1.7%の減収、11.0%の減益となった。通期は減収減益を見込む。
【17年度中間期の連結実績(前年同期比) 17年度通期予想】
売上高 1386億3000万円(1.7%減) 2790億円(0.3%減)
営業利益151億7800万円(8.9%減) 285億円(10.8%減)
純利益 120億1600万円(11.0%減) 240億円(16.6%減)
【17年度中間期の主要製品売上(前年同期実績) 17年度予想(前年度実績) 、億円】
エディロール 124(113) 250(226)
ゾシン 53(83)95(155)
クラリス 34(40)85(93)
ボンビバ 32(31)71(59)
パルクス 25(28)48(54)
ルセフィ 21(15)48(29)
オゼックス 17(22)47(49)
ジェニナック 20(27)45(52)
ビオフェルミン 21(20)42(39)
ロコア 16(5) 36(18)