シャイアー 指定難病「遺伝性血管性浮腫」の治療薬を承認申請 在宅自己注で早期治療が可能に
公開日時 2017/07/11 03:50
シャイアー・ジャパンはこのほど、指定難病の遺伝性血管性浮腫(HAE)の成人向け急性発作の治療薬としてイカチバント(米国製品名:FIRAZYRR)を、日本で承認申請したと発表した。同社は、承認された場合、発作発症時に在宅自己注射による早期治療が可能となり、患者の通院負担やQOLを改善することが期待されるとしている。
7月6日に発表されたもの。HAEは突然、顔や唇、手足、消化器などさまざまな部位に腫れやむくみ、激しい痛みが起きる遺伝性の疾患。罹患率は5万人に1人の割合で、国内の患者数は推定2500人で、実際に治療している患者は400人強という。発表によると、症状は慢性的で、患者さんは、激しい腹痛、唇や顔がひどく腫れて変形し、別人のように変貌してしまうような発作を起こし、顔面の腫れが時間の経過とともに喉頭におよんだ場合、呼吸困難や窒息を起こすおそれもあり、早期の治療が推奨されているとしている。
今回申請した薬剤は、医療機関の受診が難しい時間帯や場所での自己注射により「早期治療」を可能にする。プレフィルドシリンジ製剤で、1回の注射で発作症状を緩和する。
ただ、疾患の認知が低いために、欧州の研究では確定診断までに平均8~16年を要するといわれ、発症後長期に適切な診断や治療を受けることができない患者が多いという。