トーアエイヨー・16年度決算 希望退職実施で大幅減益に
公開日時 2017/06/22 03:50
トーアエイヨーが発表した2017年3月期(16年度)決算は、薬価改定の影響や長期収載品の落ち込みで7.6%の減収、希望退職実施による特別損失計上で66.5%の大幅減益となった。
同社は6%強の薬価改定の影響を受けた。同社が6月21日に発表した決算によると、経皮吸収型β1遮断薬ビソノテープ、不整脈治療薬のアミオダロン塩酸塩速崩錠とシベノール錠、同静注の売上が二桁の伸びを示したものの、経皮吸収型虚血性心疾患治療薬フランドルテープ、狭心症治療薬アイトロール錠など長期収載品の落ち込みが大きく、売上高は7.6%減となった。
利益面では、減価償却費や研究開発費が減ったことで営業利益は2.8%増だったが、当期純利益は大幅減益となった。その一因である希望退職は16年度末に実施したものだが、退職者数、割増退職金の支払いに伴う特別特別損失の計上額は開示していない。
17年度は、ビソノテープ、アミオダロン塩酸塩速崩錠の伸長を見込むが、長期収載品の減少や18年度薬価改定を前にした買い控えを折り込み、0.7%の微減収を計画した。
新社長に髙橋常務取締役が就任 17年度スタートの新中計に注力 腎・透析領域の参入目指す
同社は6月21日、常務取締役の髙橋敦男氏が代表取締役社長に就任したと発表した。髙橋新社長は59歳。1984年4月に入社し、2009年6月に取締役研究開発部長、13年6月から常務取締役を務めてきた。17年度から21年度までの5か年中期経営計画の実施に注力することになる。
中計では、重点の循環器領域に、周辺領域として腎・透析領域を加え、参入を目指す。どう参入を図るのかは開示していない。ほか新薬開発研究の効率化と後発医薬品事業の強化を図る。承認承継や販売提携も強化する。前社長の金野秀美氏は取締役を退任した。交代理由は開示してない。
【16年度連結業績 (前年同期比) 17年度予想(前年同期比)】
売上高 146億2300万円 (7.6%減) 145億1400万円(0.7%減)
営業利益 7200万円 (2.8%増) 6400万円(10.7%減)
当期純利益 7900万円 (66.5%減) 2億1800万円(173.5%増)
【16年度国内主要製品売上高 (前年同期実績) 億円】
フランドルテープ 34.62(43.03)
アミオダロン塩酸塩速崩錠 20.16(17.51)
シベノール錠、同静注 15.10(11.08)
メトホルミン塩酸塩錠 11.10(10.52)
ピモベンダン錠 10.54(10.51)
アイトロール錠 9.23(13.11)
ビソノテープ 7.12( 4.80)
プロノン錠 5.72( 7.26)