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アジア同時申請実現へ 申請・審査の標準化に向け「一定の成果」 第6回APAC

公開日時 2017/04/07 03:50

日本製薬工業協会(製薬協)の畑中好彦会長は4月6日、アジア12か国で構成されるアジア製薬団体連携会議(APAC)の第6回会議後の記者会見で、申請・審査の標準化に向けて、「内容が具体的なものに変わってきて一部成果も見られるようになってきた」と述べた。GMP(医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準)についても共通化、統一化に向けて合意がなされ、「革新的な医薬品をアジアの人々に速やかに届ける」というAPACの理念実現に向けた動きが加速している。


昨年のAPACでは、申請フォーマットの標準化・統一化に向けた合意がなされ、それを踏まえて今年2月のAPEC(アジア太平洋経済協力)では書類をレビューする規制当局側で評価項目を揃えるなど、標準化・共通化への合意の動きも出てきた。

一方で、審査短縮に伴って、GMP適合性確認の遅れがボトルネックとなってしまう可能性が出てきた。そのため、今回の会議では、審査側のGMP適合性確認の改善が議論の俎上にのぼった。これまでは各国が独自に評価・確認プロセスを策定し、それに基づいて評価がなされていた。会議では、GMP適合性評価の審査プロセスおよび要求される書類内容などの基準を統一化する方向性を提示。規制当局と業界が協力して、共通のSMFのテンプレートを作成することにも合意した。


畑中会長は、APECの公式加盟国で、申請・審査の共通化が浸透し始めていると説明。審査時間の短縮により、「業界側としては、時間、リソースも減ってくる。当然、プライスにも何らかの影響がある」との考えを表明。国にとってもトータルコストが減少することから、「ディベロップメント・プロセスがエコシステムになることで、アジアの患者さんのアクセスが早くなり、良くなるということが目指すところだ」と述べた。

タイの製薬団体PreMAの代表も、「最終的目的は標準化と規制の集約化だ。審査側の時間も提出側の時間も短縮することで、どの国の患者にも早く届けることができる。APACは努力を続け、成果をあげてきた」と述べた。


◎天然物の創薬で連携 始動へ アジア特有の多様性活かす

アジアでのオープンイノベーションのモデルケースとして、「天然物を活用した創薬研究」のタスクフォースの立ち上げも合意された。

天然物由来の製剤は、1981~2010年の間に米国FDAが認可した新薬のうち実に30%以上を占めるとの報告がある。抗がん剤・ドセタキセルや免疫抑制剤・タクロリムスなど、多くの薬剤が実は天然化合物由来で、多くの可能性を秘めている。日本の製薬企業でも、天然物を含む中分子などは新たなターゲットとして注目されている。

アジアは熱帯雨林などの多様性に富む生態系を維持している国が多く、カビや植物、海洋生物などから“ユニーク”な天然物が得られることも期待されている。タイなどでは、天然物ライブラリーを積極的に構築しており、これまでに培った化学合成の技術をもつ日本とのマッチングによる革新的新薬創出も期待されるところだ。

タスクフォースでは、天然物の輸出入に伴う契約業務や権利関係の明確化するほか、実際にパイロットプロジェクトを運用することで課題の洗い出しも行う。各国が強みを活かした連携体制を構築することで、アジア各国で人財育成が進み、創薬環境がアジア各地に根付くことにも期待がかかる。


 

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