【World Topics】オバマケアには反対 新大統領トランプ氏の医療政策
公開日時 2016/11/11 03:50
いささか世界を驚かせた米国大統領選挙。大統領に就任するトランプ氏は終始一貫「オバマケア反対」をスローガンに掲げて当選したことで知られている。支持者とともに「我々はオバマケアを廃止する!廃止する!廃止する!」と連呼するのを常としていたトランプ氏は、選挙直前にもフィラデルフィアでの演説で「11月8日の選挙に勝って共和党政権を打ち立てられたらオバマケアは即座に廃止して別の制度を打ち立てる(immediately repeal and replace Obamacare)」と語っている。
キャンペーン期間を通じて語られたトランプ氏の断片的な主張を拾い集めると次のようになる。
▽オバマケアは大失敗なので即時撤廃する。
▽オバマケアは国民に医療保険へのアクセスを与えただけで、価格のコントロールにも、質の維持にも失敗した。
▽医療保険はすべての米国民に必要だ。
▽保険は州境をこえて販売可能とすべきである。
▽米国民は、質の高い医療を、購入可能な適正価格で受けられるよう保障されなければならない。
▽医療はもっと患者中心であるべき。患者・家族と医師によって基本的な意思決定のできる制度でなければならない。
一方で、「(オバマケアにかわる)別の制度」とは何か?については、終始一貫何も語っていない。この点については米国内外のメディアから再三のインタビューや質問状が出されているが、トランプ氏の広報担当は常に「自由市場原理で動く医療保険計画を提案する」と回答するにとどまっている。(医療ジャーナリスト 西村由美子)