小野薬品と国がん オプジーボのバイオマーカー探索、包括的研究提携で
公開日時 2016/09/20 03:51
国立がん研究センターと小野薬品は9月16日、優れた抗がん剤の創出や、オプジーボを含むがん免疫療法などのバイオマーカー探索を目指した共同研究を推進するため、包括的研究提携契約を締結したと発表した。包括契約により、今後の個別研究を迅速に進めることができる。高額薬剤の代表格として話題のオプジーボに現在、確立されたバイオマーカーがないことも、今回の提携理由のひとつになっている。
契約締結日は9月1日。契約期間は3年だが、状況に応じて延長できる。
契約締結により、国がんは保有する研究成果のうち小野薬品の研究開発に合致するものを提示する。そして両者の協議のもと、▽創薬標的探索研究▽初期創薬研究▽トランスレーショナル研究――を共同で進める。このうちトランスレーショナル研究では、「小野薬品が有するがん免疫療法薬などにおけるバイオマーカー探索、がん治療薬または診断薬の開発につながる研究を行う」としている。
両者は早速、大規模な共同研究を開始した。この共同研究では、▽がん免疫療法の治療効果や副作用の予測に関連するバイオマーカーを発見して、治療成績の向上や適正使用の推進につながる情報の取得を目指す▽がん免疫応答や免疫療法の耐性に関わる因子を同定することで革新的な新規がん免疫療法の開発を目指す――としている。
小野薬品は15年2月に、オプジーボの非小細胞肺がん治療におけるPD-L1コンパニオン診断薬の開発を目指して、診断薬事業を展開するダコ社(デンマーク)と提携している。