田辺三菱 生物学的製剤レミケードのクローン病適応、投与間隔短縮を国内申請
公開日時 2016/09/07 03:50
田辺三菱製薬は9月6日、抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤レミケード点滴静注用100(一般名:インフリキシマブ)について、クローン病の用法・用量に投与間隔の短縮を追加する一部変更承認申請を行ったと発表した。通常用量(5mg/kg 8週間隔投与)で効果が減弱した患者に対しては現在、増量投与(10mg/kg 8週間隔投与)できるが、寛解状態を8週間維持できない患者が少なからず存在し、新たな課題となっていた。このため今回、5mg/kgを4週間隔投与できる用法・用量の追加を申請した。
今回の投与期間短縮の用法・用量が承認されると、通常用量で効果減弱した場合、増量(10mg/kg 8週間隔投与)か投与期間短縮(5mg/kg 4週間隔投与)かを患者のライフスタイルに合わせて決められるようになる。
東邦大学医療センター佐倉病院内科学講座教授・IBDセンター長の鈴木康夫氏は、「5mg/kgの投与間隔を4週間に短縮することにより、より高い血中トラフ濃度が保たれ、再度寛解が得られ維持することが期待される」とし、「今般申請された用法・用量(投与間隔短縮)が変更されることで、レミケードはクローン病の治療にさらに貢献すると思われる」とコメントしている。
■小児のクローン病及び潰瘍性大腸炎 使用上の注意を改訂へ
田辺三菱はレミケードの小児のクローン病及び潰瘍性大腸炎を対象とした臨床試験データに基づき、添付文書の小児に関する使用上の注意の改訂を行う予定とも発表した。
小児のクローン病及び潰瘍性大腸炎に対しては、レミケードなどの生物学的製剤を含め、小児患者における有効性・安全性の検証が不十分な薬剤が多いとの指摘がある。同社はこのほど実施した6歳~17歳の患者を対象にした臨床試験のデータを基に添付文書を改訂し、レミケードがより使いやすくなるようにするとしている。