BIジャパン・ポール社長 AAIを強力に推進 日本市場の環境変化の加速に対応
公開日時 2016/08/30 03:52
ベーリンガーインゲルハイムジャパンのトーステン・ポール代表取締役社長(日本ベーリンガーインゲルハイム代表取締役会長)は社長就任後初の単独インタビューに応じ、「変化に対応し、我々のビジネスモデルに基づいて発展し、それにより革新的な製品を効率的に患者に届けたい」と決意を示した。環境変化への対応とした戦略の立案、人財育成が重視される中で、同社は、今年に入りグローバルで立ち上げた“AAI(Agility:俊敏性、Accountability:責任、Intrapreneurship:企業内起業家の造語)”と呼ばれるマインドの起動に力を入れる。また、9月7日に予定される厚労省医薬品第一部会で承認の可否について審議される抗凝固薬・プラザキサの中和剤である新薬イダルシズマブについても期待感を示した。ポール氏は今年5月に同社の社長に就任している。
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ポール氏は、日本市場について「今後もイノベーションが大きな役割を果たすことには変わりはないと考えるが、ひとつの大きな変化が高齢化の進展だ」と述べ、高齢者人口が増加する中で革新的な治療の必要性は高まるとの見方を示した。その上で、「医療財源との兼ね合いからも、すでに類似の製品が臨床現場にある場合など、新たに付加価値が認められない医薬品に負担を求めることは難しいことも理解している」と述べた。
製薬企業としては、「革新的医薬品を説明する責任を持たなければならない」との考えを表明。「医薬品そのものだけでなく、有効性・安全性を裏付けるデータがあり、それに基づいてどのように最適な患者に使用すべきか。そのすべてが製薬企業の提供する製品だと考えている。製品の適切な使用を担保する必要がある」と述べ、情報を医師など顧客に提供するMRを教育することの重要性にも言及した。
ポール氏は、市場環境の変化に対応した戦略の立案、人財育成が急務との考えも示し、グローバルのAAIプロジェクトを強力に推進することを表明。研究開発、製造プロセス、顧客とのコミュニケーションなどに革新的な手法が必要との考えを表明。こうしたアイディアをもつ人財を育成する重要性を強調した。
◎中和剤・プリズバインド より効果的で安全な使用に期待
自社製品については、「我々のパイプラインには、革新的新薬が多くある」とした上で、特に注力する領域として、SGLT2阻害薬・ジャディアンスを擁する2型糖尿病領域と抗凝固療法をあげた。早ければ年内にも上市されるプラザキサの中和剤プリズバインド(一般名:イダルシズマズ)についても言及。「我々は、抗凝固療法にも革新をもたらした企業であると確信をもっている。中和剤の開発でさらに効果的で安全に使用することができる」と期待感を示した。